*もくじ*
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Lisp
プログラミング言語やソフトウェアの解説本を求める時、筆者はひと つの指針を持っています。それは、「その言語(ソフトウェア)の 原作者自らが書いた本を読む」です。別に誰かに教わったわけで はなく、読むうちに身についた経験則ですが、原作者自らが書いた参照 マニュアルや解説書には、作者の設計思想やプログラミングに対する考 えが仄見えることが多いように思われます。
というわけで、ここでは原作者による記述を中心に集めた……かとい うとそうでもないんですが(苦笑)
LaTeXのいろいろな技や、出回っているさまざまなスタイルファイルを 網羅した一冊。スタイルファイルを収録したCDつき。これは重宝しまし た。
LaTeXの新しいバージョンであるLaTeX2εでの文書作成、マクロ作成を 解説した本。
LaTeX2εの、アスキーによる日本語化キットpLaTeX2εは縦組機能を持っ ている。その縦組機能の紹介と拡張・改善を解説した本。いい本なのだ が、残念ながら「誤字誤植(後述)」が多い。
御覧のように藤田眞作氏はTeX/LaTeXに造詣の深い方で、「コンピュー タによる文書作成」にも多大な関心を持っている。
なので、藤田氏の著作はおしなべて推奨に値するし、この本もLaTeXプ ログラミングを述べている部分や、日本語の表記や組版について触れて いる箇所は参考になるが……
いかんせん、誤植、誤字、脱字が多すぎる(初版)。第6章(70ページ) までで、辞書上文法上文脈上から明らかな誤植、誤字、脱字が少なくと も22個はある。 これは、一般的な感覚からいえば、「校正を全くしていない」というこ とである。はしがきに「作成した文書は、最終物としての品質を持たな ければならない」とあるが、このありさまでは、このことばが泣く。
LaTeXのマクロ作成について、LaTeXの根本的な概念まで掘り起こして解 説した本。LaTeXのバージョンが少々古い(LaTeX 2.09)が、考え方や 基本的なコマンドは今でも通用する(筈)。
LaTeXで本(主として論文などを収めた横書きの本)を作成する際の留 意点やこまかい知識を解説している。LaTeXのバージョンが少々古い (LaTeX 2.09)が、「本を作る」という作業の全体を知るのにも役立つ。
GNU Emacsはけっこう頻繁にバージョンが上がるし、わずかなバージョ ン違いなのに機能的にはがらっと変わるところもあるしで、マニュアル を買うのが怖いのだが、バージョン20.6版あたりを買っておけば問題な いのではないだろうか。ここに挙げているのはちょっと古いものだが、 これを買った直後にバージョン20.6のマニュアルが出たのだ。
まだ売っているなら、バージョン19.34のマニュアルでもいいようにも 思う。
GNU Emacsをいじくり回そうと思ったら、いずれはEmacsLispを勉強しな ければならない。それ以前に、Lispは楽しく面白い。Lispの勉強用とし て買ってもいい。
それですらなくても、GNUソフトウェアを使い続けるつもりなら、この 本は買っておくべき。売り上げの一部がFSFに寄付されるからである (少なくとも第一刷にはそういう付箋が挟んであった)。
あまり印象に残っていないのだけれど、いま目次を見ると、Lispの簡単 な入門から始まって、GNU Emacsをカスタマイズする方法を実際的な問 題を例に解説している、ようだ。.emacsの編集にも言及しているし、悪 くはないのではないかな。
これもあまり憶えていないけれど、save-excursionの使い方はこれで 学んだ気がする。モードの定義の仕方なんかも解説してある。
通称「らくだ本」。眠い時には枕にもなります。分厚いです。
「作者自らによる解説を読む」というのが原則なんだが、これはあまり 「よい」本とは思わない。特にプログラミング初心者にとっては。一言 で言えば、作者が饒舌すぎる感じがある。最近のプログラム言語解説本 は饒舌なものが多いが、この本の影響ではあるまいか。 でも、すぐれた解説書であることには違いない。
Perlの勉強は殆どらくだ本一冊(実際にはバージョン4のもの)で済ま せてしまったので、他に紹介できる本は少ない。
フツウの暮らしをしている人が自力でHTTPクライアントを書く必要がど れほどあるか判らないが、その必要が生じた時には確実に役に立つ。 HTTPプロトコルの説明、各コマンド(メソッドといったかな)の振舞い の説明に始まり、Perlでソケットを操る方法、各種モジュールの使い方 まで教えてくれる、たいへんコストパフォーマンスの高い一冊。日本の テクニカルライター諸氏よ、内輪モードでつまらない冗談にまみれたく だらない本や記事を書くのは止めて、こうした良書の猿真似くらいやっ てみせてくれ。知識や経験は一流の筈なのだから。
Awkの解説本といったら、これをお勧めする。一冊でAwkの歴史からプロ グラミングテクニックまで学べるだけでなく、プログラミングの態度と か、形式言語理論までさらえるからお買い得♪
「原作者による解説本」の醍醐味はこういうところにあるんです。
ちょっと古い本だが、言語仕様の参照マニュアルでもあるし、実用的な 例を題材に豊富なプログラミング例を紹介している。持っていて損はな い。
「Awkエディタ」は圧巻。Awkプログラムを編集するだけでなく、スクリ プトを編集中に実行してみるなどできるのだ。なにしろエディタ自身が 編集している対象をよく知っているのだから、いじるのはたやすい筈で ある。読んだ当時の関心領域も相俟って、このアイデアには痺れた。 これだけのことはできるわけだ、「たかがAwk」でも(たかが、って、 当時も今もぼくはそんな風に見ていないけどね)。 残念ながら行エディタだが(でも本当に残念なのか?)、こういうアイ デアは今でも活かせると思う。
作者自らによるRubyの公式解説本。すべからく、原作者による解説を読 むべき。
なんだが、惜しむらくは索引が薄い。索引が貧弱ということは、リファ レンスマニュアルとしては使えないということだ。最初に読む時は読み 物でも、二回目からはマニュアルとしても使いたい。言語解説書の宿命 である。もっとしつこいくらいの索引をつけて欲しかった。でないと入 門者は辛い。
辛い人にはこれ。2002年3月現在最新バージョンである1.6の、作者自ら によるリファレンスマニュアル。すべからく、原作者による解説を読む べきべき。
実は自分はこれを最初に買った。公式解説本は高いしでかいし重いし、 当時はちょっとした遊び気分で、熱心にやる確信もなかったんだな。で も、リファレンスマニュアルだけではやっぱり勉強にはなりません。 『オブジェクト指向スクリプト言語Ruby』ないし『Rubyプログラミング 入門』と、これを両方揃えるべきだろう。
『オブジェクト指向スクリプト言語Ruby』よりは薄いし軽いし安いし、 その点ではよいのだが、「初心者向け」と銘打っている割にはさほど 初心者を判らせる書き方になっていないように思えるきらいがある。 でも用例は豊富なので、それらを打ち込んで動きを確かめながら勉強す るにはいいと思う。
Tcl/Tkの本をここで紹介するのは筋違いだが、Tck/TkのTips コーナー を作るとも思えないので。
大手の本屋数軒を回ってもなかなか見つからないので別の本を買ったと ころ、あまりにひどく、やはりこの本が欲しくなりさんざん歩きまわっ てようやく入手した。靴を三足潰し、脚がすり減って〇・七ミリ短くなっ た(うそ)。 冒頭から、安心できる書き手であることがほんのり窺えてうれしい。技 術書というのはこうでなければなるまい。
しかしあれっと思うところもある。「日本語フォントを変数名に使 う」といった記述が随所に見られる。最初、「日本語フォントの名 称を変数名に使うという意味かな」(すごい)と思ったが、よく読むと 「日本語文字列」という意味で使っているのだった。ど素人じゃないん だろうから、ここは正しく「日本語文字列(日本語文字コード、和 文文字)を変数名に使うことができる」と言って欲しい。用語の過 剰定義も困ったものだけれど、不正確な用法も困る。
ほかには、「5-3. バイナリデータの操作」(318ページ)に、バイ ナリ文字列 という用語が出てくる。これは何だ。も ちろん、言わんとするところが判らないわけではないが、しかし プログラミングの世界ではふつうバイナリデータを文字扱いしない。 言うならバイト列だろう。
こうした、ぞんざいなことば遣いが目につく。不用意なことば遣いはそ れだけで著書を安っぽく見せかけ、著者を薄っぺらく見せかけてしまう。 それから、コンピューターで原稿を書いた本には今やつきものの感なき にしもあらずだけれど、誤字脱字の類が多い。
ということはあるものの、用例も豊富だし説明も概ね丁寧。勉強に使う には悪くない。
買いたい本が見つからないので先にこちらを買った。
次善の策のつもりで泣く泣く買ったのだが、やはり次善だったようだ (『詳解』が最善と決まったわけではないが)。文章が粗雑だし、説明 が一部おちゃらけ調だし、文の組み立てもおかしくて読む気をなくす。 経歴を見ると凄腕のハッカーと思えるのだが、文章を読んでいるとどれ だけ判っているのか心配になる。
とはいえ、内容はTcl/Tkのコマンドを網羅しており、申し分ない。説明 は流し読んで、TclなりRubyなりで実際にコマンドを使ってみるのがよ い。
挙げはするが、絶版である。
絶版ではあるが、あげておきたい。それほどの名著。 原題を"Structure and Interpletation of Computer Program"といい、 SICPと略されたりする。もとはマサチューセッツ工科大学の学部教科書 として書かれたもの。著者はプログラム言語Schemeを作った人たちで、 とうぜん、使用言語はScheme。
これを読んで、目から鱗とかたらことか白子とかが落ちた。 それ以来心安らかにプログラムすることができるようになった。とはや や大げさだけれど、心のよりどころができたのは間違いない。
原著第2版の翻訳も出ている(このすぐ下)。ぱらぱら見ただけだが、 あまりピンと来ず、やはり初版の訳がサイコーと思ったのだけれど、前 の訳者はダメ、こちらの方がよいという人もいる。
ということで公正を期して(?)こちらも紹介しておく。
ああっ、これも品切れだそうだ(2002年3月27日)。
しかしこれも名著だ。著者が日本Lisp界の有名人というだけで一読の価 値はある。語り口に癖があるけれど、Lispという言語のものの見方や考 え方をやさしく解説してくれている。
Common Lispを判りやすく解説した本。巻末にはCommon Lispによるテキ ストエディターのリストも載っている。
絶版続きでどーもすいません。
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