3.豊能町野間口の道標

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豊能町野間口366 R423妙見口交差点から府道605を西に160m、三叉路を旧道に入り北西へ30mの三ツ辻の南部に北を正面に建つ
頭丸型角柱 171x37.5x35.5p(頂高9p)
N34.93143 E135.488248


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北面
┌―――――――――――――――――――――┐
│右    京               │
│ 妙見山  開運講            │
│     都               │
└―――――――――――――――――――――┘

西面
┌―――――――――――――――――――――┐
│       世   綸子屋 平兵衛   │
│           切 屋 卯兵衛   │
│左 京龜山道  話  玉 屋 伊兵衛   │
│           △形屋 長兵衛   │
│         人 香具屋 東祐    │
└―――――――――――――――――――――┘
(「龜山」は現「亀岡」)

南面
┌―――――――――――――――――――――┐
│文政十一歳戊子九月吉日 立之       │
│              切畑村    │
│               石工重次郎 │
└―――――――――――――――――――――┘

東面
┌―――――――――――――――――――――┐
│     鷹ヶ峯岩戸大千代講和歌山儀兵衛 │
│攝能勢郡野間庄             │
│        御山江十八丁       │
└―――――――――――――――――――――┘
(「пvは「州」の異体字、摂津の国)


(文政十一(戊子)年九月1日とすると、西暦1828年10月9日木曜日となる。)
(『石の文化財』豊能町教育委員会発行、平成28年改訂では、47頁)
(同書に、「…正面の刻銘から、右が妙見山であることを示す。」とある。現状で右は西を指すことになり問題はない。
 ならば、右面(西面)の「左京亀山」は北を指示し、現東の国道を示さない。
 大正の地図で見ると、現国道と同じ辺りを「亀山街道」が通っているが、この地点で北に折れ、牧の南にでる道があ
 りこれを行く方が、亀山(現亀岡)に近い為、左折を示したものと思われ、これも問題はない。)
(大正の地図を手掛かりに、現状地図をトレースすると、妙見山真如寺まで、2.2q(20丁)となり、2丁足りず、丁
 石とするなら致命傷であるが、道標とするなら許せる範囲であろうか。ただ、十八丁地点には、大正五年に建てられ
 た大きな鳥居があり、「御山」がここから始まると解釈出来なくもないか。
  現在の道標から、西に2丁の地点に、村中を突き抜けてきた道がここと同じく三ツ辻を成す地点があり、そこが元
 の位置だとすれば、距離の問題も解決するがどうか、野間口143の北
N34.931451 E135.485628
 辺りとなり、牧へ出るには、そこで北折れの方が、当地点を通過するより、50m程度近道となる。)
(東面、講の代表者(北面の講とは別か)であろう人の地名をみると、京都市北区鷹峯北鷹峯町の圓成寺が、岩戸妙見
 と呼ばれているらしく、妙見宮で繋がっているようである。)
(『天保国絵図摂津国』はこの辺りを、余野村の枝郷「野間口皮多村」としているが、周辺には「野間…村」が多くあ
 り、「野間の庄」としても問題は無いと思う。「国立公文書館デジタルアーカイブ」の「天保国絵図摂津国」を参照
 下さい。)
(『摂津名所図会』に「能勢妙見祠(やしろ)」として「野間村妙見山の峰にあり麓より坂路十六町、一町毎に標石あ
 り渓(たにがわ)に石橋を架す左右に石燈爐(とうろ)十六基石階(だん)百三十二段」「近年応験新たなりとて京
 師大坂及び遠近の貴賤常に詣(けい)して間断なく…」とある。この麓が何処を指すか明確ではないが、野間村と挿
 絵の階段、滝の位置などを考えると、野間中(北西)方面からの道筋である可能性が高く、当道標の参考にはならな
 いと思う。
 国立国会図書館デジタルコレクションの『摂津名所図会』[12]のコマ番号46と、挿絵はコマ番号51同50、を参照
 下さい。
 尚、上記書は、寛政10(1798)年とあるので、この道標より古い。)
(吉川(西)からの参道は、「豊能町・川西市妙見山新滝道丁石一覧」を参照下さい。)

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【1.道標を南に望む 【2.道標を東に望む 【3.道標を西に望む
 左200mでR423へ  奥、新道と合流後国道へ  奥(西)妙見山へ
 右(西)妙見山へ】  背後(西)、妙見山へ】  右、野間口集落、牧へ】

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【4.道標を南東に望む 【5.道標東面下部 【6.道標東より上部を望む
 石垣上の礎石にのり  左側「御山江十八丁」  頂部は、丸く仕上げられ
 元位置のままか】  「江」は小さく彫る】  全体として風格がある】

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【7.元位置?を北東に望む
 奥(東)当道標へ
 左「牧宮前道標」へ】

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【8.豊能町の道標】
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