35.川西市妙見山新滝道丁石一覧

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【摂津名所図会『妙見山』 【22丁丁石を北東に見る 【現在(2018)の鳥居 【開運(本)堂を南東に望む
 北西、野間中方面より  新滝道の起点とでき  「妙見大菩薩」の額  妙見山HPに天明七(1787)年再建
 南東を見たものと思われる  るか、谷筋18丁への  新滝道のゴール地点  明治28(1895)年改修とある
 右側尾根向うへの道が当参道か】  経路が不明である】  0丁にあたると思う】  本瀧道、清滝道のゴール地点】

目次
 1.参道概要
 2.新滝道参道
 3.丁石全般
 4.丁石一覧
 5.丁石詳細
 6.地図

1.【参道概要】
  『石の文化財』豊能町教育委員会発行、平成28年改訂には、「上杉池の南を通って東へ急な坂道を登る旧参道とは
 別に、上杉池の西を北に進む新参詣道がひらかれた。」、「御山は妙見山のことで…」としている。
 妙見山は、国立国会図書館デジタルアーカイブの『攝津名所圖會』. [12]のコマ番号51に絵が載り、
 「能勢妙見祠」(コマ番号46) に「野間村妙見山の峰にあり。麓より坂路十六町、一町毎に標石あり。渓に石橋を
 架す。左右に石燈爐十六基、石階(いしだん)百三十二段。本尊妙見菩薩、長二尺五寸許、右手に劔を蓋持。領主能
 勢侯これを守る。行程、京師より九里、大阪より八里。」とあるが、参詣道の詳細経路については触れられていない。
 (石段132段は本瀧寺への旧参道と思われる。)
 察する所この「十六町」の経路は野間からのものと想定され、当「新滝道」参道ではないであろう。
  続いて、「近年応験新たなりとて、京帥、大坂及び遠近の貴賤常に詣して間断なく、厄難病苦に患ふるものここに
 籠りて瀧に(妙見宮より山下十一町目あり)浴し、嶮路を終日上下して法華の題目を唱へ祈願の輩多し…」とあり、
 この滝も当参道の「雄滝行場」では、十二丁で近いとはいえ、図絵の挿絵に一致しないように見え、本瀧寺の行場で
 あろう。
  大正期に丁石が建てられていることを基に、江戸時代の参道でなく、新しいものとして見ると、吉川、或いは黒川
 からの参道として考えた場合、上杉谷ハイキングコース沿いを、旧参道と呼ぶことから、それに代わる新参道である
 事は間違いなかろう。
 ではいつできた道か。手掛かりとして「花折街道の面影」に「寛政年間(1789〜1800)に一の鳥居を起点に尾根筋を
 通り、西方寺で長尾街道と合流して妙見山へと通じていた」とあるが、明治25年の大阪府の記録として開通も見ら
 れ、この時期に新参道も造られたと想像する。現在この道は府道605号であるらしく、一部舗装もされ、道幅もそこ
 そこあり、舗装の階段も設けられている。
  一方、大正11(1922)年2月には「妙見鋼索鉄道(株)」に敷設免許がおりて、大正14(1925)年にケーブルが
 開通し、年間40万人もの利用者があった(能勢妙見山の鳥居跡解説板)ようで、この頃に役目が終わったものかもし
 れない。
 「敷設免許下付」は、国会図書館デジタルコレクション「官報、1922年2月20日」で参照可能。
 現在(2018年)では、崖崩れにより、通行禁止の標識があるが、自己責任に於いて、通行は出来るようである。

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2.【新滝道参道】
  先ず、当参道の起点であるが、『石の文化財』によれば、「二十二丁石」から約2.4qとしているが、鳥居から
 現在の地図上をトレースすると2.5qとなった。
 大正講が建てた丁石の最初が「廿一丁」であったと考えられ、ここを起点としても良いかもしれない。この場合は
 全長2.3qとなる。(1丁=109mで換算)
  次に「廿一丁」から「十八丁」が三丁の距離ならよいが、明治の地図を参考に旧参道をトレースすると4丁の距離
 があり、違う道筋であったか、丁石が移設されたかのどちらかであろう。現在上杉池北西に有る「廿一丁」丁石から
 鳥居を潜りすぐ左折して、ハイキングコース風の道の山側に一部廃道のような道が残り、がこれが、明治の地図に載
 るものと想像できるが、この道をしても三丁より長すぎる。
  そこで、国土地理院の航空写真等を見ると道の痕跡のような筋が見え、これを道だとしてトレースすると360mと
 なり、三丁(327m)より少し長いが、「十八丁」に到達できる。この痕跡は尾根越えのルートとなり、これが道で
 あれば、距離問題はほぼ解決する。
  一方、「十八丁(1.96q)」丁石を「一丁」を元の位置と仮定し、起点からトレースすると、鳥居から1.88q
 辺りと1.96q地点よりやや近くなってしまい、もう少し川下に有るべきだと思う。明治の地図をもう一度見ると、
 現在の道ではなく、十八丁丁石前の橋を渡らず、川の北岸を60m程下って橋を渡っている。この付け換わった廃道上
 で、「十八丁」を30m下流の北岸に移動すると、「廿一丁」からピタリと三丁となり、全て整合する。
  この二つの仮定(尾根越え、旧道付替え移設)で問題解決としたいが、前述の「航空写真ルート」を現地で探して
 みたが、見つからなかった。「廿一丁」丁石の東の妙見宮より北側では、取っ掛かりの道が見つからず、「十八丁」
 丁石の対岸南は崖崩れで進入できなかった。
 今後の調査としたい。

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3.【丁石全般】
 1.「大正講」によって建てられたもの11基、「妙正講」によって建てられたもの1基。
 2.「大正講」のものは、大きさ、書式が同じに整えられ、設置向きも、参道に対して正面が平行となる様に置いた
    と考える。現在では3基が道と直行する形で建っており、回転させられたのでないか。
 3.丁石は普通、山側に立っている場合が多いが、谷側のものがこれも3基あり、移設の可能性が考えられる。
 4.「十四丁」丁石だけ面取りがされており、すこし異なった雰囲気である。
 5.折損、又は埋没により、下部の読めないものが3基、折れてはいるが残るものが1基(十丁)ある。

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4.【丁石一覧】
豊能町・川西市妙見山新滝道丁石一覧
丁数北緯東経紀銘世話人道の
左右
山側
設置
正面
方向
参道
との
角度
紀年
大正
紀年面
の向き
石頂部
の形
大きさ
(p)
Gマップ
上距離
(m)
前と
の差
(m)
同左

(丁)
地図上
鳥居か
ら距離
丁数
換算
距離
誤差
(実-換)
+遠
2234.918692135.449745是ヨリ
二十二丁
妙正講
 十三 河本
南東平行10年右、
宮側
山型108x21.5x14
(頂高6p)
002,4702,39872
2134.91995135.450473是ヨリ
廿一丁
大正講
 玉出 芦野
西直角8年右、蒲鉾型114x27x19.5
(頂高3p)
1491491.372,3212,28932
1834.921004135.453173十八丁大正講
 南泉尾 土留
南東平行8年右、
宮側
蒲鉾型101x25x15
(頂高2p)
5924434.061,8781,962-84
1734.92091135.453949十七丁大正講西直角左、蒲鉾型 46x24x16
(頂高3p)
下部欠損
664720.661,8061,853-47
1634.92058135.455十六丁大正講
 寺岡村 穂積
南西平行8年左、
下側
蒲鉾型 87x24x15
(頂高3p)
7661020.941,7041,744-40
1434.920349135.457148十四丁大正講
 玉出 林
平行8年右、
下側
蒲鉾型 92x24x16.5
(頂高3p)
9702041.871,5001,526-26
1034.921472135.461081十丁大正講
 玉出 野々村
平行8年右、
宮側
蒲鉾型 93x25x15
(頂高2p)
上47p折損
1,3704003.671,1001,09010
734.923707135.463156七丁大正講
木津川駅前 森川
北西平行8年右、
下側
蒲鉾型 94x24.5x14
(頂高3p)
1,6903202.9478076317
634.924825135.463825六丁大正講
 玉出 菅井
南東平行8年左、
下側
蒲鉾型 94x24x14
(頂高2p)
1,8301401.28640654-14
334.927107135.465633三丁大正講
大阪 元
直角右、蒲鉾型 57x24.5x16
(頂高2p)
下部埋没か
2,1703403.12300327-27
234.927405135.466569二丁大正講
 玉出 西田
平行8年右、
下側
蒲鉾型 88x24x16
(頂高3p)
2,2701000.92200218-18
134.927297135.467708一丁大正講
大阪西成郡 林庄
南西平行8年左、
下側
蒲鉾型 73x24x17
(頂高3p)
下部埋没か
2,3701000.92100109-9
鳥居34.927458135.468107鳥居2,4701000.9200
 注)「道の左右」は山上へ向かって、「紀年面の左右」は正面に対して、「宮側」とは山上に近い側、「大きさ」は
  基礎部を含まない地表高。

写真fimg0059 写真fimg0069 写真fimg0252 写真fimg0280
【1.22丁】 【2.21丁】 【3.18丁】 【4.17丁】

写真fimg0297 写真fimg0327 写真fimg0347 写真fimg0362
【5.16丁】 【6.14丁】 【7.10丁】 【8.7丁】

写真fimg0381 写真fimg0403 写真fimg0416 写真fimg0435
【9.6丁】 【10.3丁】 【11.2丁】 【12.1丁】

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5.【丁石詳細】

写真fimg0059
南面
┌――――――――――――――――――――┐
│是ヨリ     市外十三 講      │
│御山ヱ二十二丁  妙正講  河本壽四郎 │
│             元      │
└――――――――――――――――――――┘

写真fimg0069
西面
┌――――――――――――――――――――┐
│是ヨリ    大 講 大阪西成郡玉出丁 │
│御山二十一丁 正   芦野夘之助    │
│       講 元          │
└――――――――――――――――――――┘

写真fimg0252
南東面
┌――――――――――――――――――――┐
│       大 世 大阪南泉尾丁   │
│御山十八丁  正 話 土 留      │
│       講 人          │
└――――――――――――――――――――┘
(「土」には「`」が付く)

写真fimg0280
西面
┌――――――――――――――――――――┐
│       大            │
│御山十七丁  正            │
│       講            │
└――――――――――――――――――――┘



写真fimg0297
南西面
┌――――――――――――――――――――┐
│       大 世 大阪東成郡寺岡村 │
│御山十六丁  正 話 穂積伊三郎    │
│       講 人          │
└――――――――――――――――――――┘

写真fimg0327
北面
┌――――――――――――――――――――┐
│       大 世 大阪西成郡玉出丁 │
│御山十四丁  正 話 辻 林之助    │
│       講 人          │
└――――――――――――――――――――┘

写真fimg0347
東面
┌――――――――――――――――――――┐
│       大 世 大阪西成郡玉出丁 │
│御山十丁   正 話 野々村平吉    │
│       講 人          │
└――――――――――――――――――――┘

写真fimg0362
上面(北西面か)
┌――――――――――――――――――――┐
│      大 世 大阪津守木津川駅前 │
│御山七丁  正 話 森川伊之助     │
│      講 人           │
└――――――――――――――――――――┘



写真fimg0381
南東面
┌――――――――――――――――――――┐
│      大 世 大阪西成郡玉出丁  │
│御山六丁  正 話 菅井万吉      │
│      講 人           │
└――――――――――――――――――――┘

写真fimg0403
西面
┌――――――――――――――――――――┐
│      大 世 大阪        │
│御山三丁  正 話 元         │
│      講 人           │
└――――――――――――――――――――┘

写真fimg0416
北面
┌――――――――――――――――――――┐
│      大 世 大阪西成郡玉出丁  │
│御山二丁  正 話 西田芳松      │
│      講 人           │
└――――――――――――――――――――┘

写真fimg4969
南西面
┌――――――――――――――――――――┐
│      大 世 大阪西成郡     │
│御山一丁  正 話 林 庄       │
│      講 人           │
└――――――――――――――――――――┘


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6.【地図】
写真eimg9528
【13.川西市新滝道丁石地図】

写真eimg9534
【14.豊能町清滝道丁石地図】

写真eimg9533
【15.能勢町本瀧道丁石地図】

写真eimg9532
【16.能勢町今谷道丁石地図】

写真eimg9535
【17.豊能町の道標】
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