25.神戸市中央区神戸港地方大龍寺本堂前の道標

↓末尾へ 文字ずれ時はブラウザの幅や「Ctrl」と「+」、「-」キーで倍率変更等して下さい。
神戸市中央区神戸港地方字再度山1−3 大龍寺本堂の南東前に南を正面に建つ
山型板碑 147x48.5x8p(頂高5p)(台石7x63x31p)
N34.716954 E135.178085


写真iimg4017

写真iimg4018

写真iimg4020

写真iimg4021

南面
┌─―――――――――――――――――┐
│奥の院               │
│ 大師堂              │
│  右 是ヨリ一丁上ル       │
└――――――――――――――――――┘

東面
┌─―――――――――――――――――┐
│(なし)              │
└――――――――――――――――――┘

北面
┌─―――――――――――――――――┐
│大正十一年七月           │
│  神戸市有志者          │
│   (多数の姓名を二段に彫る)  │
└――――――――――――――――――┘
(十四名の名前は下部参照)

西面
┌─―――――――――――――――――┐
│(なし)              │
└――――――――――――――――――┘


(大正十一年は、西暦1922年。)
(『神戸の道標』山下道雄、神戸新聞、1985年刊には未記載)
(初めに、案内する行先が何処を指しているのか見てみましょう。
 大龍寺を国立国会図書館デジタルアーカイブの『攝津名所圖會』. [9]のコマ番号14の絵と、説明同、コマ番号15
 見ると、「宇治野村上方十八丁にあり坂路壱町毎に標石を建てる古義真言宗」とあり、「奥院大師堂」は「弘法大師を
 安ず」と有ります。依って当道標は寺域内の「奥の院大師堂」一ヶ所を示すとします。
  絵図(下記写真参照)上の「奥院」として書かれている所へは、本堂の左(西)の「子安」とある所から登るように
 描かれているが、現在の地理院地図では右(東)に登る道が描かれ(大正時代地図も同様)、この道登るのが一般的で
 しよう。更に西「いなり」から登る道に一致する様な入り口が、現権倉稲荷大明神鳥居の横にあるが、手を付かないと
 登れないようで、その後も西へ大回りをする参詣道に出て、東周りの道よりも遠くなります。)
(ここで少し、丁石で無く道標とした点を考えてみます。
 大龍寺への道(大師道)の同定は今の地図に「宇治野」の町名が無い為難しいのですが、明治の地図では「宇治野町」
 が見え現在の中山手通辺と思われ、国会図書館の「天保国絵図摂津」には読み難いながらも「花隈町」の西に書かれて
 いることから、再度谷川沿いの道として良しとします。
 そこで、その大師道に今も残る現在の諏訪山公園南西の「二十二丁丁石」から始まる丁石の多くが大正五(1916)年の
 建立と思われ、遅れる事6年の「丁石」と考えてみるのはどうであろうか。大師道に建つ丁石には目的地が書かれてお
 らず、この石を含め「奥ノ院大師堂」を案内する一連のものとする発想である。
 しかし、「一丁」丁石が現仁王門の下に既に存在し、ここから奥ノ院大師堂までは地図上で230m程もあり、2丁以上
 にもなる。
  やはり、ここは本堂迄来たなら「もう一丁で『大師堂』ですよ。是非ともお参り下さい。」と勧める、少な目に距離
 を書く常套手段を用いた、道標としておきました。)
(有志の会として載る名前は、全て女性と思われ、どの様な繋がりであったか興味のある所です。今なら毎日登山等との
 関係もあるのかも知れないが、大正末期となるとどうでしょう。当時も毎日登山は盛んだった様であるが、単純に信仰
 上の繋がりと考える方が無難か。
  尚、この道標が案内する奥ノ院大師堂東横に「大龍寺奥の院の道標」があり、これにも同姓の「寺内」が見える。)

写真iimg4043 写真iimg4016 写真iimg4041
【1.道標を北東に望む 【2.道標を北に望む 【3.道標を北西に望む
 左本堂、右に当道標  後ろ(北)大龍寺本堂  奥(西)毘沙門堂
 奥(東)は護摩堂か】  右は東を指す】  右、本堂前に当道標】

写真iimg4039 写真iimg4023
【4.道標南面拡大 【5.道標北面右上拡大
 奥の院/大師堂  「大正十一年七月」
 右、是ヨリ一丁上ル】  「神戸市有志…」】

写真jimg0406 写真jimg0016 写真jimg0370
【6.西からの奥の院道を探す 【7.国会図書館デジタルコレクション 【8.当道標東の紀年銘がなく
 現稲荷西の登り口?  『攝津名所圖會』に  米国住人名を持つ道標
 10m程上の石祠に出る】  読み下しを入れて見た】  寄付金額で対象外とす】

写真gimg6514 写真gimg6518
【9.神戸市西部の道標】 【10.大師道の丁石】

 有志の名前を読んでみた。全て女性の様に思う。


写真iimg4025

(北面、下部)
┌─―――――――――――――――――┐
│ 一之字 ハツ   寺本 たね   │
│ 光田  古満   寺本 米    │
│ 太田  常    寺本 正子   │
│ 鷲尾  ちよ   青柳 はな   │
│ 中尾  たみ   美田 登み   │
│ 中邨  すず   美田 ふき   │
│ 中野  はな   宮本 米子   │
└――――――――――――――――――┘
(「すず」のずは「〃゛」)

文字ずれ時はブラウザの幅や「Ctrl」と「+」、「-」キーで倍率変更等して下さい。 ↑先頭へ