神戸市中央区神戸港地方字再度山1−3 大龍寺本堂の南東前に南を正面に建つ
山型板碑 147x48.5x8p(頂高5p)(台石7x63x31p)
N34.716954 E135.178085




南面
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│奥の院 │
│ 大師堂 │
│ 右 是ヨリ一丁上ル │
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東面
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│(なし) │
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北面
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│大正十一年七月 │
│ 神戸市有志者 │
│ (多数の姓名を二段に彫る) │
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(十四名の名前は下部参照)
西面
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│(なし) │
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(大正十一年は、西暦1922年。)
(『神戸の道標』山下道雄、神戸新聞、1985年刊には未記載)
(初めに、案内する行先が何処を指しているのか見てみましょう。
大龍寺を国立国会図書館デジタルアーカイブの『攝津名所圖會』. [9]のコマ番号14の絵と、説明同、コマ番号15を
見ると、「宇治野村上方十八丁にあり坂路壱町毎に標石を建てる古義真言宗」とあり、「奥院大師堂」は「弘法大師を
安ず」と有ります。依って当道標は寺域内の「奥の院大師堂」一ヶ所を示すとします。
絵図(下記写真参照)上の「奥院」として書かれている所へは、本堂の左(西)の「子安」とある所から登るように
描かれているが、現在の地理院地図では右(東)に登る道が描かれ(大正時代地図も同様)、この道登るのが一般的で
しよう。更に西「いなり」から登る道に一致する様な入り口が、現権倉稲荷大明神鳥居の横にあるが、手を付かないと
登れないようで、その後も西へ大回りをする参詣道に出て、東周りの道よりも遠くなります。)
(ここで少し、丁石で無く道標とした点を考えてみます。
大龍寺への道(大師道)の同定は今の地図に「宇治野」の町名が無い為難しいのですが、明治の地図では「宇治野町」
が見え現在の中山手通辺と思われ、国会図書館の「天保国絵図摂津」には読み難いながらも「花隈町」の西に書かれて
いることから、再度谷川沿いの道として良しとします。
そこで、その大師道に今も残る現在の諏訪山公園南西の「二十二丁丁石」から始まる丁石の多くが大正五(1916)年の
建立と思われ、遅れる事6年の「丁石」と考えてみるのはどうであろうか。大師道に建つ丁石には目的地が書かれてお
らず、この石を含め「奥ノ院大師堂」を案内する一連のものとする発想である。
しかし、「一丁」丁石が現仁王門の下に既に存在し、ここから奥ノ院大師堂までは地図上で230m程もあり、2丁以上
にもなる。
やはり、ここは本堂迄来たなら「もう一丁で『大師堂』ですよ。是非ともお参り下さい。」と勧める、少な目に距離
を書く常套手段を用いた、道標としておきました。)
(有志の会として載る名前は、全て女性と思われ、どの様な繋がりであったか興味のある所です。今なら毎日登山等との
関係もあるのかも知れないが、大正末期となるとどうでしょう。当時も毎日登山は盛んだった様であるが、単純に信仰
上の繋がりと考える方が無難か。
尚、この道標が案内する奥ノ院大師堂東横に「大龍寺奥の院の道標」があり、これにも同姓の「寺内」が見える。)
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【1.道標を北東に望む |
【2.道標を北に望む |
【3.道標を北西に望む |
左本堂、右に当道標 |
後ろ(北)大龍寺本堂 |
奥(西)毘沙門堂 |
奥(東)は護摩堂か】 |
右は東を指す】 |
右、本堂前に当道標】 |
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【4.道標南面拡大 |
【5.道標北面右上拡大 |
奥の院/大師堂 |
「大正十一年七月」 |
右、是ヨリ一丁上ル】 |
「神戸市有志…」】 |
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【6.西からの奥の院道を探す |
【7.国会図書館デジタルコレクション |
【8.当道標東の紀年銘がなく |
現稲荷西の登り口? |
『攝津名所圖會』に |
米国住人名を持つ道標 |
10m程上の石祠に出る】 |
読み下しを入れて見た】 |
寄付金額で対象外とす】 |
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【9.神戸市西部の道標】 |
【10.大師道の丁石】 |
有志の名前を読んでみた。全て女性の様に思う。

(北面、下部)
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│ 一之字 ハツ 寺本 たね │
│ 光田 古満 寺本 米 │
│ 太田 常 寺本 正子 │
│ 鷲尾 ちよ 青柳 はな │
│ 中尾 たみ 美田 登み │
│ 中邨 すず 美田 ふき │
│ 中野 はな 宮本 米子 │
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(「すず」のずは「〃゛」)
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