和歌山市内環状鉄道構想

1998.6.17 

1998年6月17日の和歌山県議会の一般質問で和歌山市内環状鉄道構想が提案されました。

和歌山市駅から紀勢本線紀和−和歌山−紀三井寺を経由し紀三井寺から地下に潜り国道42号線の下を通り、旭橋東詰めに「和歌山医科大学前駅」を作り、津屋交差点付近に「和歌浦東駅」そこから左折南進しあしべ通りの地下を進み「新和歌浦駅」そこから海岸線を通過し「雑賀崎駅」を作り、右折北進し南海電鉄(和歌山県営)水軒駅に繋げ、和歌山港線を経て和歌山市駅に戻るという構想です。

線路幅は1067mm、架線電圧は1500Vで既設公共道路の地下を通るので土地買収は少なくて済むという発想でした。

紀三井寺駅

JR紀勢線紀三井寺駅(1995年10月撮影 EF60の12系客車牽引の普通列車が特急の通過待ちのため停車中)


JR紀三井寺駅から分かれ地下に降り右カーブし国道42号線の地下を通過し旭橋東の元紀三井寺競馬場跡には和歌山医科大学と付属病院が来年移転します。

ここから津屋交差点までの間の国道42号線上には1971年に廃止となった南海電鉄和歌山軌道線が走っていましたが旧競馬場前の「旧旭橋電停」が「医大前」駅になるそうです。

津屋交差点あたりに「旧和歌浦電停」がありましたがこの付近に「和歌浦東」駅が作られ、そこから左折南進し不老橋をかすめて右カーブしてあしべ通りの地下を通過し、御手洗池付近で旧軌道線跡と合流し「新和歌浦」の駅ですが、ここは元南海和歌山軌道線和歌浦支線の終点でした。

ここから先は難工事が予想され、遊歩道の長さロード沿いに西進するのですが、地上を通過すると和歌浦の景観が壊されるため地下を通過すると予想されますが、海岸線のため工事は難しいと考えられます。

「雑賀崎」駅は漁業の盛んな集落、そこから北へ転進し、廃止された「新和歌浦ロープウエイ」のあった高津子山の西方をトンネルで上昇し山麓で地上に出て水軒川を渡り和歌山港線水軒駅と接続します。


水軒駅 水軒駅

南海和歌山港線水軒駅 手前の漁船の係留されている所が水軒川の河口


水軒駅は現在1日に2回しか電車の来ない駅ですが、駅付近の海を埋め立て工業団地を作る計画がありますが、和歌浦の景観が壊れるため、計画の見直しが検討されています。

実はこの和歌山市環状鉄道構想は川島令三氏が1993年8月に発行した「全国鉄道事情大研究 大阪南部・和歌山篇」(ISBN4−7942−0516−3 C0065 P1700E 草思社)で単線ループの地下線で提案されておられ、昨日の貴志川線和歌山市駅までの延長乗り入れ案も氏の著書に掲載されておりました。

その他川島氏は今はもう廃線されているJR紀勢線宮前駅の南から分岐した、本州化学の引き込み線を利用して「手平」「鷹匠町」「県庁前」を経由し南海和歌山港線「久保町」に至る単線の地下線または高架線も提案されています。



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