和歌山軌道線のあゆみ

和歌山水力電気

明治38.11.28 和歌山市-海南市黒江船尾中浜間の施設権を譲り受け

和歌山水力電気は明治38年5月創立、和歌山市内で電灯電力供給事業を開始、事業区域を和歌山県北部に拡大。
和歌山水力電気会社の軌道線は、明治38年12月に赤城友次郎ほか12名の発起による和歌山電気軌道会社の軌道施設権を譲り受けたものであった。
 発起人 赤城友次郎 和歌山市新中通3丁目2番地、 島村安次郎 和歌山市本町7丁目6番地 他
 和歌山水力電気株式会社 社長 島村安次郎 和歌山市岡山丁9番地 営業目的「電灯・電力・電車」

明治42. 1.23 県庁前(現・市役所前)-和歌浦口間開通
明治42. 2.11 市駅-県庁前(現・市役所前)間開通
明治42.11.23 和歌浦口-紀三井寺間開通
明治44.11. 8 紀三井寺-琴ノ浦間開通
明治45. 4.18 琴ノ浦-黒江間開通
大正 2.10. 2 和歌浦口-新和歌浦間開通(和歌浦支線、旧・出島線)
大正 7. 6.20 黒江-日方口(現・東浜)間開通

京阪電気鉄道

大正11. 7月 京阪電気鉄道に吸収合併され和歌山支店となる
昭和 4. 6. 1 東浜-海南駅前間開通

合同電気

昭和 5. 5.1 京阪電気鉄道が合同電気(津合同電気)に譲渡

和歌山市と京阪電鉄との間で買収問題が話し合われていたが、財政難もあり三重合同電気に譲渡された。

昭和 5. 6.16 公園前-東和歌山間開通(新町線)

東邦電力

昭和12. 4. 1 合同電気が東邦電力に合併 和歌山支店となる

和歌山電気軌道 (阪和電鉄傍系)

昭和15.11.1 東邦電力が阪和電鉄と合併し軌道業が分離し和歌山電気軌道が創設される

昭和15.5月の和歌山市議会で「電車・バス買収市営案」が満場一致で可決し、鉄道省に陳情に至ったが先に商談が成立した東邦電力と阪和電鉄の了解が得られず幻の計画に終わった。

和歌山電気軌道 (南海鉄道傍系)

昭和15.12月 親会社の阪和電鉄が南海鉄道と合併し南海鉄道の傍系となる

和歌山電気軌道 (近畿日本鉄道傍系・独立)

昭和19. 6月 南海鉄道が関西急行鉄道と合併し近畿日本鉄道傍系となる
昭和19.12月 和歌山合同バス、和歌山交通、南海交通を吸収合併しバス・タクシー業兼営
昭和22. 3月 近畿日本鉄道傍系より独立
昭和30.11月 和歌山鉄道を吸収合併、貴志川線は和歌山電気軌道鉄道線となる

南海電気鉄道

昭和36.11月 南海電気鉄道と合併し和歌山軌道線となる
昭和46. 1. 9 和歌浦口-海南間廃止
昭和46. 3.31 和歌山市-和歌浦口間と和歌山駅ー公園前間が廃止され全線廃止となり消滅する

和歌山軌道線が廃止されたのは他の都市とも共通するが、自動車の増加で道路の混雑やマヒを招いて電車の評定速度が低下したり、マイカーの増加により電車の利用者が減少し営業経費の増大を招いた。
そして、和歌山軌道線の場合は同じ南海系列の南海電鉄バスが併行路線を走っているため二重投資となっていた理由もあった。
また、昭和46年度に和歌山国体が開催されるため道路の整備が急務となり、国体の開催までに和歌山軌道線の廃止となったようで、地元の和歌山市と海南市の合意も簡単に得られたようであった。