第３日曜、掃除の日。
または、アパマンハムJN1WTQの華麗なる立ち回り。

JN1WTQが入居している、一応マンションと称しているくたびれた集合住宅では、毎月第3日曜日の午前中に共用部分の一斉清掃を行うことになっている。本日も平成10年9月の第3日曜日であるため、いつもどおり清掃作業に出向いて割り当てられた階段の掃除をしてきた。

このマンション管理組合が昔から伝統的に行っているこの行事は、別に参加しなくともペナルティなどなく、規約にうたわれているとはいえ、実質ボランティアのようなものだ。実際このての集まりにまったく顔を出さない入居者も、若干ながらいるのである。1回出て2回休み、なんてパターンの人もいる。まあ本当に用事があって出られないのかもしれないが、強制でないから理由は他人に分かるはずもない。

貴重な休日の朝、1時間ほど駐車場や階段や前庭や自転車置き場やごみ置き場のお掃除をするのはなかなか大変である。負担である。夏暑いのである。冬寒いのである。当たり前だが。でもかなりの入居者はちゃんと参加している。かく言うJN1WTQも、よほどのことがないかぎり参加しているのである。なぜか。

マンションの掃除とアマチュア無線に何の関係があるんだと思っているあなた。甘い。関係が大ありなのだ。ご近所付き合いである。きわめて重要な事項である。「あんたの訳分からないテレビアンテナみたいなのは目障りだ引っ込めろ」 「電線が巻き付いている釣り竿は何だ美観を損ねる」なんていわれるのを封じる必要があるのである。組合の総会には必ず出席し、月一度の清掃にも欠かさず参加するのである。ご近所のだんなや奥さんと顔をあわせておくのである。話をするのである。

知った顔に文句というものは、なかなか言えないものである。そのうち掃除のついでに
「これで電波はどこまで飛ぶのですか」 「そうですねー電波にもいろいろ種類がありまして、ヨーロッパやアメリカまで飛ぶものもありますよ」なーんて会話をするようになったらしめたものだ。インターフェアさえ気をつければ、今はおおむね安心できる状況にある。

マンションの清潔を保つため、そしてアンテナを守るため、アパマンハムJN１WTQは毎月第3日曜日に勤労奉仕にいそしむのである。