広場から西の展望。石鎚公園線の向こうに手箱山など名峰が連なり、雲がなければ石鎚山も眺められただろう。

また、北東には稲叢山が座しており、広場の北側にせり出すとその頂を見上げることができる。
一方南方面は、背伸びすると木々の向こうに南西に向かって幾重も山並みが連なっている。


NTT反射板跡地より望む稲叢山(右奥のピークが稲山山頂)。

さて、NTT反射板跡地の広場からはスズタケの深い尾根道を進むことになる。
ササの中に確かな踏み跡はあるが、立ったままでは足元も見えず、複雑に絡み合ったササが行く手を遮るので、たびたび前屈姿勢で進まなければならない。スズタケのヤブでは毎度のことながら、この姿勢が想像以上に体力を消耗する。2人以上なら先頭を交代しながら行くと楽なのだが、、、


スズタケの中でしゃがむと薄暗い踏み跡が延びている。

昼でも薄暗いスズタケの中を、ところどころ立木をよけたりくぐったりしながら進む。ササの汚れと汗とで身体中真っ黒になりながら、広場から約5分で左手に鳥獣保護区の看板があるところまで来て一息つく。足元には石標がある。
更に5分ほどで、一瞬スズタケが切れて、左手(本川村側)に下る道との分岐になるが、真っ直ぐに尾根の方を進み、再びスズタケの中へと踏み込んで行く。

ところでその分岐から約2分ほど、スズタケをこいでいたら、胸の高さぐらいに行く手をさえぎる木があって、ふと見るとその木の股でマムシが「とぐろ」をまいていた。うっかりしていたら、危なくその木の下をくぐるところだった。
雨の降る頃、マムシは木の上に登ると昔から聞いてはいたが、実際に木の上にいる姿を見るのは初めてだった。


登山道をさえぎる木の上でじっととぐろを巻いているマムシ

「気をつけて行きなさいよ」と、注意を促すように現れたマムシの忠告通りに、ここからは合羽を着込むことにした。
万一のために、もちろんフードもかぶり、ズボンも履く。そしてできるだけダブダブに着込む。可能な限り露出部分を少なくし、あらためてスズタケの中を行くことにした。
蒸し暑いことさえ我慢すれば、この格好だと毒虫(たとえばヒル(ヤマビル)など)の攻撃も防げる。

*ちなみに、「マムシなど毒蛇による咬傷について」は、特別にページをさきましたので是非ご覧ください。
執筆協力は、雪光山で同行していただいた友人岸野さんによります。
「マムシなど毒蛇による咬傷について」

さて、相変わらずのスズタケを約10分もこいで行くと、登山道は尾根から左手(本川村側)に逸れ、足元に伐採作業用のワイヤーが有る立木の元を折り返し、再び尾根を進む。

NTT反射板跡地の広場から約35分もスズタケの中を辛抱強く進むと、突然ササが切れて、ゴロゴロした岩場に出る。目の前には大きな岩がでんと座っている。ここはその大岩の右手へと進み、またもやスズタケに突入する。
要所には赤いテープが付けられている。


この大岩は右手へとまいて行く。スズタケさえなければ野趣あふれる尾根歩きなのだが。

さらに10分足らず、尾根道で岩に行く手を阻まれる。実は、この岩上からは南の眺望が素晴らしいのだが、登りでは「とりつき」が分かりにくいので、ここは赤テープに従って北斜面へと迂回する。
この北斜面は急坂でも、スズタケが無いので苦にはならない。