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2002年11月

●いつもより3時間早く起きて、行ってきました、4度目の草サッカー試合。今日は出版健保の広大な運動場の一角、なんと芝生のグラウンド。今日は飯尾君に誘われて、8社で対抗戦(!)の初戦、対J社戦にT社の助っ人としての参加だ。芝生も初めて、審判付きの試合も始めて、ゼッケン付けたのも初めて。どこが助っ人やねん? てなもんですが、とにかく前半の20分を右サイドバックで出場。DFも初めてみたいなもんだし、だいいち相手の前線の選手がまるっきり本格派で、当たるもつかまえるもコースを切るもなにもあったもんじゃない。いろいろ指示はしてもらうんだけど、どこにいてなにをしたらよいのやら状態。どフリーでボールを持てば出しどころが見つからずウロウロしちゃったり。いくらなんでも初心者には無茶なレベルでありました。納得のいくプレイが2度できただけでもよかったけど(自分にしか分かるまい)、毎度のことながら情けなや。とか言って、自分のヘボにも慣れてきちゃって大してメゲもせず、終了後は近所の手打ちうどん屋でジョッキ傾けながら、鴨汁うどんでひと心地。芝生でボールを蹴ったら、えっらい気持ちいいし、天気も最高で、ひなたぼっこできるぐらいだったし、ビール飲んでとろ〜んとしてきたって、まだ1時前だし、そんなこんなで、結局じつに気持ちよかったのでした。T社のSさんはじめ皆さん、正真正銘の超初心者で失礼しました。仲間に入れていただいてありがとうございました。今度はぜひうちのへっぽこチームを揉んでやってください。●新宿タワーでDVD1枚(ビョーク)とCD6枚を買い込んだあと、夕方5時からは新大久保のR'sアートコートで、アイルランド音楽のコンサート。出演は初来日のハープ奏者キャスリーン・ロックナーンと彼女の息子でイーリアン・パイプとホィッスルを吹くコーマック・カノン、すっごく有名なホィッスル奏者ショーン・ライアン(日本の民放番組が彼の住む城を訪ねたことも)、それに大御所バンド、デ・ダナンの中心人物アレック・フィン(ブズーキ。彼のアルバム“BLUE SHAMROCK”は愛聴盤)という4人。そこに通訳を務めていた守安功さん夫妻や、タムボリン船津さんの娘のさやかさん(ダンサー)が加わる。なんとも繊細で美しいハープやきりりと澄んだホィッスルの音色に時おりふっと睡魔に襲われたりしながら(それに胃と口内炎と筋肉の痛みを我慢しながら^^;)、カジュアルなステージを気持ちよく楽しんだ。●明日から師走。(30日)

●東京スタジアムの略称は本気で「味スタ」になるらしい。石原慎太郎が「味スタじゃなきゃ困る」と言ったとか。それしかないのは分かるが、こんな名前を本気で口にしようというサッカー・ファンがどれだけいるか、大いに疑問。メディア上では右へならえで統一されるんだろうけど、これってでも、味の素の株をかえって下げやしないか? ●今週放映されているチャンピオンズ・リーグの2次グループリーグ第1戦は、デポルティボ・ラコルーニャ×ユヴェントスと、バレンシア×アヤックスをいちおう観戦。どちらもテンションもレベルも高く、見応えじゅうぶんだった。とくに今季初めて見るアヤックス。選手はみんな若いのに、サッカーをよく知っているというか、闘志を秘めつつも落ち着いた試合運びには感心。こうやってみんな超のつく一流選手に育っていくんだな。高原もぜひオランダへ行って欲しい。(29日)

●なんだあ、新潟駅でチケット買えたんだ、そんなに安く。くそう。そりゃあハナっから諦めてテレビ観戦を決め込んでるようじゃあダメなんだけど、にしても悔しいよなあ。やっぱ動かなきゃダメだよなあ……ってなんの話かというと、『タレコミW杯』(流星社)っていう本の話。いやこれがもう最高! サポティスタっていうサポーターネットワーク(ぼくは良く知らないけど、かなり知られた組織)の主催者がスタジアム観戦の強者たちと一緒に、狂乱至福のひと月を語り倒したものなんだけど、とにかくこいつらのチケット入手法ときたら! それだけでかなりの感動もの。「イギリスの人気××、○○○○○がチケットを××た」だの「会場で××ったチケットで入った」とか、ほんとかよ? っていう壮絶な体験のオンパレード。その手の武勇伝ばっかじゃなくて、きっちりサッカーそのものも、W杯というお祭りも楽しみまくってるのも爽快。脚注で細かく拾ってるネタもセンス良いし、マスメディアがぜんぜん伝えなかった「現場ではなにが起こっていたのか」をまんま語っている。こんなに楽しく(ちょっぴり悔しくも)なれるサッカー本はちょっとない。今年前半をチケット争奪戦でもだえ苦しみながら過ごした人や、5月31日から6月30日までを幸せに叫んだり飛び跳ねたりして楽しんだ人には大々的に推薦。これだけ楽しめた上に、こんなサッカー好きたちに少しでも印税が入るんなら1400円は惜しくない。●トップページの紅葉写真は4〜5年前にたしか鈴木慶一さんのソロ・ライヴを見るために出かけたときにコンパクトなオートカメラで撮ったもの。これが唯一の紅葉見物といえば言えるかも。(28日)

●そういえば一昨日のマンダラでも、この前のシアターコクーンでも、演奏中に携帯の呼び出し音が鳴った(コクーンではラストのクライマックスに)。いい加減慣れちゃって、大して腹も立たないけど、それにしてもみなさん、どうしてふだんから呼び出し音をオフにしてないのか。わたしゃどうも恥ずかしいし、うるさいから基本的にバイブレーション・モード。出そこなうのが怖かったら肌身離さず持ってればいいのに。着メロとか楽しめなくはなるけどさ。●土曜の朝8時40分大宮駅集合、という過酷きわまりない助っ人指令が下った。しかも、ゼッケンあり、レガート着用、システムは4−4−2、ポジションは右サイドバック……ってマジっすか? 聞けばきくほど恐れ多すぎ。シューズもパンツも持ってない上にメガネしたままなんてのが参加しちゃっていいのか?●まわりに風邪引きが増えてきた。気を付けねば。(27日)

●5日ぶりくらいに青空が見えて、少し暖かくなった。●所用で夕方から三鷹へ。5年前に一度入っただけの店を見つけて晩飯。●昨日のライヴ、堪能はしたんだけど、ちょっと予習不足だったという反省もあったので、次の週末から始まるケルティック・クリスマス(大推薦!)に備えて、デンマークからやってくるヴァイオリンとギターのデュオ、ハウゴー&ホイロップのアルバム『リーズ〜灯り』を聴く。これがまた素晴らしいのなんの。聴き映えのする輝かしい音色のヴァイオリン(まだ27歳!)に、よく歌うシャープなリズムのギター。超をつけてもいいぐらいの一級の音楽でしょう。直前になって一気に期待が高まってきました。北欧の弦の響きって、すごく生気にあふれてて、ワクワクします。1日(日)の3時から新宿タワーレコード7階でインストアライヴもあり。(26日)

●南青山マンダラでナンシー・カー(フィドルと歌)&ジェイムズ・フェイガン(ギターブズーキと歌)のデュオと、ビル・ジョーンズ(ピアノ・アコーディオンとピアノの弾き語り)というイングランド・フォークふた組のライヴ。合計でたっぷり2時間半、いやあ、堪能しました。ステージに乗り始めて3年というビルは初々しくて魅力的な歌声。ナンシー&ジェイムズは切れの良いフィドルとギターブズーキ(アコースティック・ギターのボディにブズーキの弦=複弦で4×2本を張ったもの)に、格調高い歌声とコーラス。二人のラヴラヴ加減も見ていてうらやましいほどだったんだけど、いやじつにイングランドしてて、素晴らしかった。途中で木靴を履いてダンスも披露したり、シェトランドのフィドラー、アリー・ベインの曲もあったり、多彩なプログラムで楽しませてくれました。お客さんが30〜40人ていうのはあまりにもったいなかった。打ち上げに顔出して、ぎりぎりの終電で帰宅。●カエターノ・ヴェローゾの97年の著書“VERDADE TROPICAL”の翻訳出版企画が会議を通り、やれることになりそう。身に余る光栄、ってな気分。翻訳はもちろん国安真奈さん。でも一緒に提出した企画を通すことができず、喜びも半減。実績のない著者、マイナーな題材の場合、「何冊売れるのか」を問われると、どうしても苦しくなる。会社に対して言いたいことは山ほどあるが、そもそもロクに本を買わない、読まない人間が寄ってたかってお寒い議論を重ねてなんの意味があるのか。それでも売れるもの作って実績を積みあげていくしかないんだけど。来年は見てろよ(^^;)。(25日)

●サッカー観戦三昧の週末。土曜の昼間は広島×柏を中心にJリーグ、深夜はフラム×リヴァプール戦、今日の午後はJ2の結果をチェックしつつ、明け方録画したスペイン・ダービー(バルセロナ×レアル・マドリード)、夜はパルマ×ローマ(レッジーナ戦をハイライトだけ)という具合。totoに高額のキャリーオーヴァーが出ていたのでJをいつもよりこまめに追っかけてしまった。3口出た1億円はまあ来年の夢にとっておくとして、どの試合も内容、結果ともに満足できるものでした。観戦記は明日にでも。●その合間、午後遅めに友人二人が来宅、久しぶりにCDの試聴会とあいなった。山のようにある未聴ディスクを聴く良い機会になるのでありがたい。今日の収穫は浅川マキ『闇のなかに置き去りにして』(土方隆行のギター、渋谷毅のピアノなど演奏も素晴らしい)、ROVO『リキッドルーム・ライヴ』(かっこいい!!!!!)、サリフ・ケイタ『MOFFOU』といったところ。●そんなこんなで持ち帰っていた仕事には今週もまた手を付けられず。すっかり自宅では仕事ができない身体になりつつある。本も読めなくて、『キャプテン翼 ROAD TO 2002』の第7巻だけ。(24日)

●玉川上水駅近くのロバハウスで、アイルランドのクレア地方からやってきたマイケル&セイリーン・タブリディ夫妻と守安夫妻とのコンサートを見てきた。開演時間を間違えたために、階段の一番下の段にやっと一人分のスペースを見つけて座らなくてはいけなかったほどの盛況。50人ぐらいは来てたかな。マイケルさんは昔チーフタンズのメンバーとして世界を駆けめぐったりした経験もある方だが、業界的な空疎な生活に嫌気がさして、以後建築技師として働きながら日常生活の中で伝統音楽を楽しんできた人(ソロCD1枚あり)。学生時代に住んでいたダブリンの下宿はその昔ラフカディオ・ハーンが住んでいた部屋だったそうだ。彼はフルートとコンサティーナを演奏し、ときに一人でときにセイリーンさんとダンスを披露する。守安夫妻はアイリッシュ・ハープ、フルート、ホイッスル、コンサティーナでの伴奏と通訳。そのダンスがなんともいえない味わいで、じつに至福の2時間でありました。髪も真っ白で、どこから見ても立派なおばあさんであるセイリーンさんが、リヴァーダンスみたいな派手なものとは対極にある、あくまでも日々の暮らしに根ざした、ゆったりとしたおだやかなステップを踏んでいく。ときおり音のしないステップが混じるんだけど、その瞬間、なにか時間と空間がふっと柔らかくなるような。つねにジョークを交えながらのマイケルさんのトークも心地よくて、3時間でも4時間でも見ていたかった。●終演後モノレールに乗って立川に出て親元へ。自家製のいわしのつみれ鍋を食べて帰宅。なんの話をしたわけでもないのだが、気持ちが少し楽になった。ありがたいもんです、音楽も親も。(23日)

●昨日からすっかり寒さが本格化。毎日見る近所の公園の銀杏も真っ黄色になって、落ち葉がたまり始めていた。夕暮れ時にはなんとなくもの悲しくなっちゃって、どうもね。でも、日本のどこかではきっと紅葉がきれいなんだろうな。●今日もひたすら翻訳原稿のチェックを続ける。外に出たのは昼飯と晩飯だけだった。食いながらの話題はもっぱら「totoで1億円当たったらどうするか」。こういう夢物語って宝くじ買ってもあんまりしないのに、なぜかtotoだとついつい熱が入る。とはいえ1億円じゃ一生遊んで暮らすってのは無理だし。仕事も続けないわけにはいかないだろうし。家建てたらおしまいだよなあ。って書いててアホらしいね、やっぱり(^^;)。(22日)

●昨日の観戦記、日本に良いところがあまりなかったみたいに読めたかもしれないけど、日本代表の戦いぶりにもかなり満足はした。入っててもおかしくないシュートもなくはなかったし、初めての組み合わせの11人で、フルのアルゼンチン代表相手にあれだけボールをきちんとキープできて、状況を判断しながら回して行けてたんだから立派。書き漏らしたけど、名良橋は何度も右サイドを駆け上がって見せ場を作っていたし。そういうクロスを入れる形での攻撃は良かったな。ただ、どうにも精度が低い。コースやタイミングがアルゼンチンのようにドンピシャとは行かないんだよなあ。あれがフィードとラウールとか、ベッカムとニステルローイとかだったら1点だったな、みたいなシーンが何度かあった。ともあれ、そこまで攻め込めたってだけでもえらいです、日本代表。次は東アジア選手権か。●で、来月の3日に横浜でやるのが、これが最後かもしれないトヨタ・カップ。欧州チャンピオン、レアル・マドリードの相手はパラグアイのオリンピアなんだけど、今日の「Number」誌で、今季はポルトガルでプレイしている廣山望が「オリンピアは例えれば市原市選抜みたいなチームで、国情や環境を考えると、パラグアイのチームが世界一を争う試合に出るのは、信じられないようなこと」と語っていた。そうかあ、ついついレアルにばっかり目が行ってたけど、レアルじゃなくてオリンピアを見に行くぞ、っていうスタンスもありなんだな、と気づかされたのであった。なんて今ごろ言ったって、チケットが取れてなきゃしょうがないんだけど。(21日)

●試合が終わってから最寄り駅で電車に乗るまでに1時間半もかかったりして疲れたけど、とにかく初めて見てきました、生アルゼンチン代表。観戦記はこっちに。●昼の東西線高田馬場駅での出来事。ドアの目の前に立ってホームで待っていた若者(A)に対して、電車から降りてきた若者(B)が、まるで 因縁をつけるやくざのように肩をぶつけていった。Aはムッとした表情を見せつつも、そのまま乗り込んで座席に座る。Bはそのまま10mほど歩いたかと思うと、きつい表情でおもむろにきびすを返し、肘から下の腕を使って、座っているAの頭あたりの窓をドン!と叩いていった−−もとはと言えばドア前のまん中で待ってたやつが非常識なんだけど、なんていうかなあ、ふつうならまず、モロにドシンとぶつかっていったりしないよね。それでもしぶつかったら、どっちかが「あ、すいません」かなんか言うでしょ。かりにお互い無言だったとしても、いくら乱暴に肩がぶつかったからといったってあそこまで青白い怒りを燃やしたりしないだろう。ちょっとムカッとするぐらいは僕だって分かる。でも今日見た若者たちの怒り方は、ほとんど憎悪に近いような感情を発散していて、それが不気味だった。しかも言葉をいっさい交わしてない(発してもいない)。つまりなんらかのコミュニケーションを取ろうという意志がぜんぜん見えなかったのも気持ち悪かった。『戦争と平和』のインタヴュアーの一人ササキバラ・ゴウがあとがきで「満員電車で毎日ため込んでいる小さなストレス」に触れていたのを読んだばかりだったのだけど、その「小さなストレス」をきちんと解消するなり、それが無理でもせめて自分がそういう厄介なものを抱えてることを自覚したりしてないと、こんなふうに世の中がどんどん剣呑になっていく気がする。あるいは渋谷の街を歩いていて感じることの多い、独特の他人への無関心、他人の存在がまるで見えていないかのような振る舞いも、根っこは同じなんじゃないかと思う。(20日)

●「半年ごとに携帯電話を買い換える社会は根本的におかしくなってる」と富野由悠季もさかんに言っていたが(「戦争と平和」で。今月6日の日記を見てください。面白いです!)、コンピュータしかり、車しかり、ファッションしかり。ひたすら消費を強いないと成り立たないってのはもう限界なのはみんな気が付いてるだろうに。という話はおいといて、2年半前にやっと携帯電話を買った人間にはちょっと不思議っていうか、大変なんじゃないかと思うのが、新しいコミュニケーション・ツールがあふれてるいまどきの恋愛。とにかく携帯の電話とメールがあれば四六時中コンタクトがとれるわけじゃない? それで相手がパッと電話に出てくれたり、すぐに返信メールが来たりすればまだいいけど(それにしてもお互いのテンションにズレがあったりすると苦労しそうな)、そうじゃなかったりすると、そのときの二人の関係性しだいではずいぶん悩みの種を増やすんじゃないかと。不倫には便利か、いやかえって不便だ、とかいう問題もあったりするが(ないか?)、ここまで時間と空間を超越したコミュニケーションが可能になっちゃうと、いろいろ微妙な段階を踏まなきゃいけない恋愛関係の渦中とか途上にある若者たちは、ほんの4、5年前には誰も知らなかった経験(ストレス?)をしてるわけで、と思うものの、どうもリアルに想像できない……。●会社にあるのは角川書店のだけで、これがまあ、さっぱり役に立ってくれない。で、講談社が井上ひさし推薦で新しいのを今日発売したらしい。期待しちゃうなあ。「類語大辞典」6500円也。良さそうだったら会社に買ってもらお。(19日)

●すでに知ってる人も多いと思うが、全国高校サッカー選手権大会で前代未聞の珍事(惨事?)があった。岡山県大会決勝の作陽高校vs水島工業高校戦。延長戦に入ってから、作陽高校の見事なミドルシュートがビールネットに突き刺さり、同校の選手は歓喜の雄叫び、かたやがっくり肩を落とす。喜んだ選手達が駆け寄ろうとした瞬間、なぜかプレー続行中。なんと、主審がゴールを認めなかったのだ。なんだ、そりゃ? って話を聞いたのが先週の金曜日。今日になってネットにアップされているその瞬間の映像を見ました。いや、これ、審判、ちゃんと正しい絶好の位置から見てるじゃないの。ちゃんと走ってゴール前まで詰めてるじゃないの。それでなんであのボールが見えなかった?? よそ見とかしてたわけ? まったくもって完璧に信じられません。後日主催者は誤審を認めたが、そのあとのPK戦で決まった水島工業の優勝はそのまま認める、との発表だったらしい。いやあ、なかなか衝撃の映像でありました。サイトは不明(すまぬ)。●駅からの道中、風が強くなってきたのでうつむき加減に歩いていたら、目の前にいきなり自転車が現れてあやうく轢かれになった。黙って過ぎ去っていく相手は、ヘッドフォンをしたままライトも付けていない中学生らしき男の子。うーん、耳を塞いだまま、つまり外界の音が聞こえない状態でよく運転できるよなあ。ぼくは車でも、高速に乗ったとき以外は窓を閉め切ったまま大音量で音楽を聴くことはない。外で何が起こっているか、音で判断できなくなってしまうのがいやなのだ。しかもライトなしと来た。べつに交通法規がとか、道徳がとかじゃなくて、単純に自分(と他人)の身の安全を考えろよ、ってだけなんだけど、いまどきの10代には理解してもらえなさげ。若くなくても動物としての本能が壊れてるんじゃないかと思えるような危ない行動する人は多いけどね。●いつのまにか第4巻と5巻が出ていた江川達也「日露戦争物語」、あいかわらずどうもいつ出るか把握できない「本の雑誌」、それに友人が薦めていた鶴見俊輔/ダグラス・ラミス「グラウンド・ゼロからの出発」(光文社)を購入。●さほど痛まなくて安心してた右腕だけど、鉛筆で字を書こうとしたら、指がうまく動かなかった(^^;)。(18日)

●てっきり右腕と右肩が痛くて使いものにならないかと思いきや、あんがいなんともない。ひょっとしてけっこう筋肉は若いのか?(^^;) 尻の筋肉はちょっと痛むけど。ネットで近所のテニススクール検索してみたりして(本気かよ、おい?!)。●音楽を聴くでもなく、本を読むでもなく、人生の来し方行く末を考えたりしながらのだら〜んとした1日。夜はなじみの中華屋へ。店の中国人の兄ちゃんとよもやま盛り上がって話してるうちについつい食い過ぎて腹が苦しい……。(17日)

●すっかり「スポーツの秋」となってて、サッカーに続いて今週は卓球、ボーリングと来て、今日はテニス。会社のクラブの練習に参加するため、(たぶん)初めて降りる王子駅近く、都電の線路脇にあるコートに出かけた。大学1年か2年の授業で半年やって以来ほとんどラケットを握ったこともなかったし、ただでさえ人並み以下の運動能力がえらく衰えていることをサッカーで実感していたので、まともにボールが当たらなかったらどうしよう、とか心配してなくもなかったんだけど、下手サーブも入ったし、まあなんとかカッコがついてひと安心。子供の頃は毎日のようにやってた草野球の貯金ですな。サッカーみたいに相手とからだをぶつけて争ったりしなくていいぶん楽な気持ちでできる。このまま入部ってことになるんだろうか? でも次の練習はいつ?(笑) ちなみに参加者11人中、歳上は二人だけだったんだけど、その女性お二方が気持ちもからだも若くて元気なのが頼もしい。からだ動かすと気持ちも元気になるもんだよなあ。な〜んて能天気なこと言ってる場合じゃない気もするんだが……。(16日)

●段ボール箱に入ったまま会社の倉庫に眠っていた古い蔵書を引っ張り出して整理。中村とうようさんの「ラテン音楽入門」、チャールズ・カーライルの「都市の黒人ブルース」(相倉久人訳)などのほか、ウェスタンの歴史とか、沖縄民謡の分析書とか、インド音楽の概論とか、ラヴィ・シャンカールの伝記とか、60年代の初版本があれこれ出てきた。ずいぶんと幅広くいろんな企画をちゃんと実現させてたんだな、と思うが(解説など読むとじつに時代を感じさせてくれる)、感心してる場合じゃないよな。●今日読んだ出版業界紙「新文化」(先週号?)によると、筑摩書房の菊池社長が、一部書店が実施しているポイントサービスを明らかに再販制に反する違法なものとする声明を発表した由。同じ再販商品であるCDでは、再販期間の切れた商品の割引販売やカードなどによるポイント制導入が一般化しているわけで、書籍に比べるとかなり柔軟に「弾力的な運用」を実現させているように見える。そうした実質的な割引となる顧客サービスを実施する余裕のない中小の書店の経営を圧迫する、とか他にも検討したり議論したりすべき点はあれこれあるんだろう。とは思うが、本とCDとに根本的な違いってあるんだろうか(本にはCDにとっての輸入盤に相当する競争相手がない、とか?)。(15日)

●今日もものすごい晴天で、会社に着いたときには暖房が邪魔に感じた。●「忙しい」「忙しい」と連発する奴に仕事ができるやつはいない、ってのは真理だな、と思う。僕なんかいったい1週間に何度口にしていることか。今日は溜まっている原稿には手を付けられないうちに、来週提出する企画書2本の準備で終わってしまった。来月からは新企画にはとりかかりたくない。っていうわけにもいかないしなあ。●今週はチャンピオンズ・リーグの一次リーグ最終節の中継があったのに、留守録に失敗したりして(WOWOWチューナーの電源入れ忘れた)全部見そこなってしまった。今朝がた録ったミラン×ラコルーニャも見ないまま消すことになりそう。●夜遅くになってから、母親に誕生日祝いの電話を入れる。(14日)

●夜9時前、食事を終えて部屋に戻ると、同じフロアにはすでに誰もいない。こうなるといきなり労働意欲が落ちるわけだが、うるさめのCD(早川岳晴とか)かけたりしながらなんとか遅れている翻訳原稿のチェックを今日の最低目標まで進める。●大野晋「日本語の教室」をパラパラと拾い読み。勉強になります。アルファベータ(出版社)から出たラヴェルの伝記が内容も翻訳(石原俊)も良さそうで、それどころじゃないのについつい少し読んでしまう。●今日も暖かかった。と書いてて、このサイトを始めてからちょうど2ヶ月が経ったことに気が付いた。こんなに日記を書き続けられたのは、とうぜん生まれて初めて。(13日)

●なにやら異様に気温が高くて困った1日。●初めてタトル・モリ・エージェンシーにお邪魔。早川書房やら新潮社やら扶桑社やらの翻訳エンタテインメント小説がずらっと並ぶ会議室で、出版界の香りをたっぷり吸って帰ってきた。それだけなんだけど、ちょっと幸せなのであった。●「夕刊フジ」が、発表されているアルゼンチン代表メンバーはあくまで仮のもの、実際には1軍半で構成されることが既定の事実で、ジーコもそれを知っているから欧州組の参加が少なくても余裕かましていられるんだ、と書いてるらしい。なんせただの親善試合、覚悟はしてるけど、となると最大の見どころは上野、ってことになるんすか?(^^;)うーむ。せめて高原か柳沢あたりにしてくれない?(意味不明)(12日)

●来週20日のアルゼンチン戦に出場する日本代表メンバー20人が発表された。中田、小野、稲本が来ない代わりに、坪井(DF・レッズ)、上野(MF・マリノス)、遠藤(MF・ガンバ)の3人が入ったかっこう(あと、ジェフのDF中西も)。ただ、ここへ来てレッジーナまで俊輔を出したくないと言ってきたらしい。となると中盤の先発は、あれっ、名波がいないのか、じゃあ、小笠原、福西、中田浩、それに上野? アレックス? 欧州組が4人とも見られなかったら残念ではあるけど、それで極端に興趣をそがれるってわけでもない。なんてったって、生アルゼンチン代表を初めて見るんだし(いや、日本代表も楽しみよ)。とかいってて土壇場でサビオラやアイマールやクレスポやベロンが来なくなったりしたら(リケルメだけは見たことがある)、そうとう悲しいもんがあるな……。頼むから来てくれよ! 高い金出して行くんだからさ(爆)。(11日)

●ふと聴いたブラームスの交響曲第2番が引き金になって、モーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲が1枚に入ったCDを購入。モーツァルトの曲って、たとえばピアノをかじった人の多くが「むずかしい」と言うけど、あれだけ曲自体が美しいと、演奏者の存在が邪魔になるような感じがあって(“天国的な美”なんて生身の人間が表現できるわけないじゃん!?)、数にしたらごくわずかだけど聴いた範囲では、どうも納得のいくモーツァルトはなかったような記憶がある。古い録音にはピンと来るものがわりと多かったんだけど、このレオポルド・ウラッハとウィーン・コンツェルトハウス四重奏団が51年に録音した演奏もそのひとつ。要らぬ作為や努力や思い入れが薄くて気持ちよく聴ける典雅な古き佳き名演。第1楽章冒頭の有名なあの分かりやすくてシンプルで美しいメロディ(については小林秀雄か誰かが名言を残しているような気もしてきたけど忘れた)だけはずーっと覚えていた。こういうの聴くと、現代人にクラシック音楽を弾くのは無理がありすぎなんじゃないか、とか乱暴なこと思ったりしますね。オリジナルのデザインでリマスター復刻されたCDで、こんなことなら紙ジャケを買っておけばよかった。ブラームスもじつに良い曲だけど、先にモーツァルトに浸っちゃったので、もうちょっと聴きます。●夜は日米野球の中継を見ながら、なじみの中華屋で燗にした紹興酒を二人で4合飲んだらけっこう酔いが回ってしまった。上原の気合いの入りようといったら日本シリーズより凄かったんじゃないか。すっかり気持ちはメジャー?(10日)

●ベランダから雪化粧の富士山が1日中くっきり。冬は大きく見えて嬉しい。●夜は渋谷のシアターコクーンで浜田真理子。心配と期待がともに思ったとおりだったというか。ステージ慣れしてないのは歴然としているんだけど、歌じたいは堂々としたもの。本編最後の「聖歌」に満足。アンコールの1曲目「教訓I」も可愛いらしくてよかった。(9日)

●雨模様だったのに午後から晴れてきて暖かくなったもんで、薄手のコートも持てあましてしまった。●音楽をテーマにしたマンガとしては出色、新刊をまいど楽しみにしている一色まこと「ピアノの森」の9巻目が出た! 土日に読めるとはなんとタイミングのいい!●♪U.N.C.O.、ウ×コ♪っていうおバカ・ロックが頭から離れてくれない…。う゛〜〜、解毒剤を探さなくては(笑)。(8日)

●巨人の松井が大リーグ移籍の希望を表明したのは一昨日だったっけか? 期待はしていたけど、この決断は心から尊敬したい。いや、よくぞ決心してくれました。大リーグという外圧(またかい…)によって、少しでも巨人=読売グループの独裁が崩れて、プロ野球界が健全化していくことを願うばかり。少しはJリーグの理念ややり方を見習おうって気はないのかね? ナベツネには何を期待してもムダだろうけど、ほかの11球団の経営者はなにやってんだか。もどかしすぎ。史上最高の野球選手であるイチローのプレイが、オリックス時代に東京ではほとんどテレビで中継されなかったわけだけど(海の向こうに渡ったら毎試合見られるようになった)、そんなことやってたらファンは減るに決まってるわな。松井にはできればヤンキース以外の球団に行ってほしい。(7日)

●先週注文していた、リチャード・トンプソンが自前のレーベルから出しているライヴCDシリーズの最新作“RICHARD THOMPSON BAND LIVE! -SEMI-DETACHED MOCK TUDOR”が届く(喜)。ダニー・トンプソンのベースがやっぱ凄いなあ。いっしょに“BEESWEB”Tシャツも買ってしまった。●翻訳仕事を初めてお願いすることになるBさんに会うため、久しぶりに駒場の東大に。あんまり良い思い出はない、ていうか、ほとんどなにやってなに考えて毎日過ごしてたのか記憶がないくらい空白の2年間だったので、懐かしい、というような気持ちは湧いてこない。駒場寮も駒場小劇場もなくなってたし、コンクリっぽいモダンな建物が増えてるしで、全体に小ぎれいになったキャンパスには違和感あり。どうでもいいけど。Bさんからは、近年の学生気質とか興味深い話を伺った。●ガンダムの劇場版2作を見たので、富野由悠季へのインタヴュー本『戦争と平和』を読み始める。インタヴュアーは、もっとも共感を持てる「評論家」の一人である大塚英志と、ササキバラ・ゴウ、上野俊哉の3人。どんな質問にもつねに明快な答えを返す富野氏。自らの創作の才能と質と意味と限界をしっかり分かった上での強靱なクリエイター魂は感動的だ。「トリトン」すらまともに見てない僕にえらそうなことはいえないけど、彼の作品で育った人は必読では。徳間書店刊。いつもお世話になっている岩郷重力+WONDERWORKZ。による装丁もかっちょいいです。●冷たい風が吹く夕方、一人で前を歩くしょぼくれたサラリーマンのおじさんがおもむろに呟いた。「Very Cold」。しっかり「コうルド」と発音していたあたりが謎。(6日)

●先月スピーカーやアンプの自宅試聴で本格オーディオを初体験(^^)したFさんが(詳しくは「stereo」誌を。1月号かな)、さすが凝り性というかすっかりはまりつつあるみたいで、電源タップやアンプとCDプレイヤーを繋ぐコードを替えたらグッと音が良くなったとのメール。むう、刺激されるなあ。ラックよりは安上がりだし、効果が上がることはわかってるんだけど、ここんとこ服を買い込んだりしたせいで余裕なし。●いつも利用しているSSW/フォーク/トラッド専門のCD通販タムボリンから新しいカタログが届く。毎度のことながら前回の支払いがまだなんだけど(船津さん、すみません)、ちらっと見たら大好きなアコーディオン奏者カレン・トゥイードとイアン・カーが参加している新作が! じっくりチェックするのは週末だな。(5日)

●夜になって風がやみ、寒さがやわらぎはしたものの、うっかり冬のコートを着て出かけそうになるほど昼間は冷えた。●浜田真理子のうたにはまっている。はじめはシングルにもなっている1曲目「純愛」に耳を奪われていたが、何度か聴くうちに4曲目「月に聞く」や次の「月の記憶」が頭から離れなくなった。そこから最後の9曲目「あなたへ」までのほうが、序盤の3曲よりもすぐれていると思う。この人ならではの世界の手応えを強く感じる。8曲目「聖歌〜はじまりの日」がなかでも圧巻。かけらも媚びのない歌い口、素直なメロディ、わずかにヴィブラートのかかった声、訥々としたピアノ、どちらかというと報われない愛を歌った詞……なにがどうすごいのか、なかなか語りにくいけど、日の落ちるのが早くなってきた今日このごろ、やけに沁みてきてしまうのは、そんな気分でいるからなんだろう。こんなふうな歌に浸るのはずいぶん久しぶりだ。それにしても、聴かせてみたい友人・知人の顔がいくつも浮かんでくる。とりわけ女性の共感を呼ぶんじゃないだろうか。そうそう、秘密博士(そういう名前のデザイナー)によるパッケージ・デザインもすばらしい。(4日)

●3回目のサッカー練習。のつもりが、若者グループにまじってミニ・ゲームをやることに。やっぱり完全におミソ状態で情けないやら腹立たしいやら。せっかく良い位置でボール受けてもなんにもできないんだもんなあ。反射神経とか運動神経って歳とともに衰えるんだ、ってことを改めて実感。見た目と気持ちだけはあんまり老けてないつもりなんで(^^;)、よけいがっくし。そりゃね、もともと運動なんて子供の頃の草野球しかしてないし、長距離走は昔から苦手だったし、闘争心にも著しく欠ける性格だからさ、いきなりできるわけがないんだけど。でも、それでも、楽しかったんですねえ、じつに(笑)。●「ガンダム」を初めて見た。劇場版の第1作。これ、台詞の古くささはおいとくとしても(とはいえ、当時の子供は「おうさ!」とか「〜でなくってよ」なんてのに違和感もたなかったんだろうか?)、トータルの世界がまだまだ「70年代」だったんだ、と分かってびっくり。考えてみたらパソコンなんてなかったわけだし。なので、70年代や80年代に生まれた人たちになぜいまも愛されてるのか、60年代生まれにはちと不思議な気も。ともあれ、アムロ、シャア、ザクなどなど、長いことよく目にし耳にしてきた名前の実体(?)がわかってすっきりしたぞ。(3日)

●そばがきか揚げそば、しめじやマイタケの天ぷら、それにわさび漬けかなんかをつまみにして、なんてことない甘めの燗酒を2合ほど。からだが暖まってきたところで、えび天の乗った熱いそばを注文して、ふうふう言いながら食して、最後はそば湯でつゆを割って締める……なんてのが最高の季節になってきた。そば屋で飲む酒って、なんかいいんだよなあ。(2日)

●11月になってしまった。ようやく本格的に冷え込んできて、日本酒が素直に恋しい。●このサイトを立ち上げてからちょうど50日。日記を欠かさずアップできているのには自分でもびっくり。ときどき内容に反応したメールをもらえるのも嬉しいもんです。●先日BSの「マンガ夜話」で特集していた今市子の「百鬼夜行抄」が面白そうだったので、家に揃ってたのを読み始めた。いやあ、これ名作。画力、絵の魅力といい、ストーリー展開、キャラの設定などなど、文句なしに楽しめる。マジで怖い話もあるらしいので、夜中は読まないようにしないと。と言いつつついつい手が伸びる…。(1日)