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戦場のピアニスト
The Pianist
★★★★★★★★★☆
2002年 ポーランド/フランス
監督: ロマン・ポランスキー
出演: エイドリアン・ブロディ / エミリア・フォックス
☆こういう作品☆
第二次世界大戦の渦中に巻き込まれたユダヤ人ピアニスト、ウワディスワ・シュピルマンの実話に基づ
く作品。
放送局の専属ピアニストとして生計を立てていたシュピルマン(ブロディ)だったが、やがて第二次世界
大戦が開戦。彼の住むポーランドもドイツからの侵攻を受ける。彼ら家族を含むユダヤ人たちはドイツ軍の 手により住家を追われ、収容所を転々。過酷な運命を強いられていくこととなる。
☆こう観た☆
凄惨な映像を見せる作品としては"プライベート・ライアン"しかり、"ブラックホーク・ダウン"しかり、映
像、特殊効果の発達により、リアルに"戦争"を伝えられるものが増えたが、2作と本作との違いは、目の 当たりにする犠牲者の多くが眼前の敵に立ち向かって倒れゆく兵士ではなく、乾いた銃声が耳に痛いピ ストルの前に倒れゆく"無抵抗の"ユダヤ人であるということ。その一人、命からがら逃げるシュピルマン がドイツ軍将校に聞かせるピアノの旋律はまさに、口を聞いただけで殺されかねないがゆえに言葉で罵 倒できないシュピルマンの中に込められた哀しみ、苦しみ、そして怒りだ。
はじめのうちは眼を覆いたくなるほどの残忍な殺戮。だが徐々にではあるが、時間と共にそれを見ること
に慣れていくのが自分でもわかる。戦場でもこうやって感覚がマヒしていくものなのだろうか。恐らくすべ ての人間に言えることなのだろうが、己の環境の順応性に恐怖せずにいられない。
最前線内で逃げる人がいる一方、こういう人もいる。視点がユダヤ人よりも"アフリカ"な作品だが、"名
もなきアフリカの地で"は、危険をいち早く察知しアフリカに亡命したユダヤ人を描いている。機会があれ ば2本つづけて鑑賞することをお薦めする。
人間の犯した過ちに胸が締めつけられ、そして二度と見たくないと感じさせる戦争映画こそが真の戦争
映画であると思う。そういう意味では、まさにそうであった本作を観ることができたことを嬉しく思い、このよ うな史実が二度と繰り返されることのないことを切に願う。
written on October 10, 2003
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▽ここで観た: 祇園会館 (京都)
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