John Fogerty ジョンフォガとしげやん

Chateau Ste. Michelle Winery, Woodinville, WA - 8/8/98

with Sister7

今回は「しげやん」こと、重村さんから提供いただいた、ジョン・フォガティー全米公演のレポートを掲載させていただきます。しげやんさんにはこの場を借りて厚く御礼申し上げます!

| Back | Home |


Introduction

このたび休暇を利用してアメリカへ行ってきたのですが,その際John Fogerty (以下フォガおやじ)のコンサートを観に行ってきたため,Katsさんのご厚意により,この場をもって報告させてもらいます.

実は自分の趣味として「アメリカの田舎巡り」というのがあるのです.休暇になるとアメリカへ飛び,大都市やらテーマパークには目もくれず(笑),レンタカーで田舎へと繰り出すことをたびたび行っております.で,田舎にある国立公園(これがまた素晴らしい)など自然が楽しめる場所へドライブして,ハイキングやら山歩きする,という日頃の酒浸りの不健康さがウソのような(笑)行動をとるのでした.

このたび夏休みをとるにあたって,アメリカ北部のワイオミング,モンタナ州へ行くことを企んだのでした.しかし,そのままだと人には殆ど遭わなく,動物ばかり遭うことになってしまうため(あ,実際今回の旅行ではシカやら熊やらは飽きるほど見てしまった),せめて最終日位はコンサートが見たい!という希望のもと,オンラインでチケットが購入できる大手業者 Ticketmaster Onlineでワイオミング・モンタナ周辺のコンサートを検索したのでした.しかし...カントリーしかないやんけ!(~_~::)

はるかワシントン州シアトルにまで検索範囲を広げてみると,コンサート,あるある...ちょっと日程をずらせば Beastie Boys (ま,彼らはそのうち来日するかな?), Pearl Jam (地元!), Hanson (笑)なんかもやっていたようです.で,休暇期間中に限って検索してみたところ,Spice Girls なんていうものもあったもののこの際それは無視して(爆),さらに検索を続けてみると,何と 「John Fogerty」 という魅力的な名前に惹き付けられました.

一応詳しく解説しておくと,彼は60年に活躍していた Creedence Clearwater Revival (以下C.C.R.)というバンドのボーカル&ギターです."Have you ever seen the rain?"(邦題:雨を見たかい)なんかは,だいぶ前桑田圭介がTVのコマーシャルでカバーしていたため馴染みのある方もいらっしゃるかもしれません.最近では"Fortunate Son"という曲が映画"Forrest Gump"のベトナム戦争のシーンで効果的に使われていました.一時期ブランクはあったものの,最近になりソロアルバム"Blue Moon Swamp"・ライブアルバム"Premonition"(これがまた素晴らしい)を発売している,という53歳のオヤジ(これは敬称です,念のため).しかも,コンサート会場はシアトル郊外の Woodinville という街,Chateau Ste. Michelle というワイン醸造所内,というよく分からないロケーション!

| Back To Menu |

チケット入手までの道のり

結局旅行の計画を練り直し,何とか最終日,8月8日はシアトルへ行けるよう航空券の手配を行いました.そして,コンサートチケット入手をするべく Ticketmaster および直接会場のチケット販売係にアプローチしたのでした.しかし,時すでに遅し.チケットはいずれでも売り切れていて,すでに入手不可能になっていたのでした!!さて,どうしようか...

結局Katsさんをはじめあらゆる人に相談&アドバイスを頂きましたところ,現地のチケットブローカー(あまり詳しいことは知らないのですが,要は合法的なダフ屋が同国では認められているよう)に何軒かメールを出す他,Yahoo! の掲示板に「チケット買います」との掲示を出したり,フォガおやじの公式ホームページ johnfogerty.com にも掲示を出したりして,朗報を待つべく備えました.

しかし...結果はなかなか実りませんでした.いかんせんチケットが既に売り切れているため,会場からは「もうその日のチケットはどうやってもないんです.せめてワイナリーだけでも見学していって下さい」との悲しすぎるメール(苦笑)が届いたり...他のファンからは「どうせ日本から来るんだったら他の街で見た方がいいんじゃない」とのメールが来たり,チケットブローカーからは「8月9日の追加公演のチケットならあるよ」とのメールをもらったりしたのですが,仕事の関係上休暇の日程は動かすわけにいかず,「こりゃ仕方ないかな~,当日会場で現地調達するしかないかな...」と半ばあきらめ顔にならざるをえませんでした.

しかし,ここで頼りになるのが何をかくそう我らが Katsさん (^^).

> あとは電話での直接交渉でしょうか。持ってないって
> 言ってたのに、交渉してたら出てきたって話しもストー
> ンズのチケットとかではよく聞きました。

このようなメールでの助言が届き,最後の手段としてブローカーに直接国際電話を入れたのでした.そこでブローカー曰く,「うーん,その日はもうずっと売り切れてるからね...まあ一応電話番号だけ教えてくれる?日本から?あ,いいっすよ.とれたら連絡する」と,何かうさんくさいやり取りをしたのですが心中は半信半疑,「素直にあきらめてスパイスガールズ行った方がいいのかな」と動揺はかくせませんでした.

ところが!2日後の午前6時,いきなり国際電話がかかってきて超ビックリ!「チケット2枚あるよ.前から7列目.どう?」との内容,当然即「買います」と答えたのでした.Faxでクレジットカードなど諸書類のやり取りを行った後,何とその2日後には Federal Express (国際宅配便)でチケットが手元に届いたのでした!

いやー速攻技.パスポートと同じくらいチケットを厳重に管理して(笑)アメリカへ旅立ったのでした.

| Back To Menu |

コンサート当日...開演まで

さて,はやくもコンサート当日.しかし,前夜はカナディアン・ロッキーの中の田舎街に泊まっていて,コンサート会場まで実に700kmはある遠方でした.早起きをして5:00にはその街を出てゆっくりと会場入りをしようと思っていたものの,そうは問屋が許さず,寝坊のためその田舎町を3時間遅れの午前8時に出発,「ほんとに会場に着けるのかな~」と不安いっぱいにひたすら山道攻めに挑んだのでした.

でも,何とか会場に迷う事もなくたどり着き,開演19:00の予定のところ,実際に会場に入ったのは19:10過ぎでした.ワイナリーの中だけあって,ステージまでの道はあたり一面ブドウ畑.「うーん,野外コンサートでワインというのもいいかもしれない」と,一瞬コンサートよりワインの方が気になったりもして(笑).会場に着いて周囲一面を見渡したところ,ブドウ畑以外には森の緑,さらに空に上がる気球(後で知ったが,近所で気球に上がって夕焼けを見る,というツアーをやってるそうな...),というあまりにもホノボノとした雰囲気にノホホンとしてしまいそうになりました.天気も,晴れないことで有名なシアトルという街にもかかわらず快晴,まるでコンサートのためにセッティングされたような絶好のコンディションでした.

自分たちが会場に入ったときには,すでに Sister Seven という前座のバンドが演奏していました.Janis Joplinをいくらか彷彿させるボーカルにファンクのリズムが加わる,という音は個人的に嫌いではないのですが,いかんせんC.C.R.とともに育ってきたような観客相手にチョッパー・ベースの音はあまりにもミスマッチだったようでして...

で,実際どういう観客がいるのかと思い周囲を見回してみると,10代は殆どいなく,いたとしても40代の親の同伴のもと(笑).アメリカ人のふけ具合を考慮すると正確には定かではないですが,圧倒的に30代~40代が多かったような気がしました.同伴者と「日本で Ventures観たときと客層が似ている」という話題をしていました(笑).でも観客は年齢とともに丸くなったためか,前座バンドにも暖かい声援を送ってました.

会場はなんてったってワイナリー!当然の如く販売コーナーにはワインの直売コーナーがあり,自分は同伴者と2人でフルボトルを分けるべく1本購入したのですが,巨大なアメリカ人たちは1人1本ずつ買ってました.(^_^) さらに,ワインに合う賑料理やらシアトル名物のサーモン料理なんかが売っていて,自分たちはそれらをつまみながら,まずは自由席の芝生でゴロゴロとリラックスしていました.他の観客も皆それぞれマットを広げたり,ワインをグビグビとボトルごと飲んでいたり,みな自由気まま.かすかにp*tのニオイがするようなしないような....

そういう中で前座の終了後座席(本当に7列目だった!)についたのですが,隣の座席に座っていたのはどう贔屓目に見ても60代の老夫婦!! コンサート開始前にもかかわらず観客が盛り上がっているのを冷めた眼差しで眺めながら「しぃと・だうん...」とかブツブツ言ってました.(^^;)

前座終了後ステージ準備の間には色々なBGMが流れていましたが,ノッケは I Won't Back Down (Tom Petty & The Heartbreakers)!!彼らのアメリカでの評価の高さ(というか日本での過少評価.>ね,mayuさん?)の度合いを考え「この曲だけで皆盛り上がるだろうな」なんて感じていた自分の期待はあっという間に裏切られ...みなシーンと聴いていました(苦笑).さらに Honky Tonk Woman (Rolling Stones), Rock 'N Me (Steve Miller Band) など,いかにもアメリカ人が好みそうな音楽が流れるものの,何故か観客の反応は今一つ...では,一体どのようなBGMでアメリカ人オヤジ&オバハンは盛り上がるのか?と思って反応を観察していると,Chumbawamba のあの曲で一番盛り上がって皆踊り狂っていたりするのでした (^_^;;).

そうこうしている間にもBGMはいつの間にかカントリー・フォーク色が高まり(これはフォガおやじの陰謀?!),先日発売されたライブアルバム "Premonition" にも使われていた湿地帯(=swamp)っぽいSEが流れ,気がついたらオヤジどもがステージに仁王立ちしていたのでした!おいおい,カッコ良すぎる...

| Back To Menu |

念願のコンサート

選曲は,ノッケから"Born on the bayou"→"Green River"→"Lodi"と,往年のC.C.R.の名曲が「これでもか」と言うまでに連続する贅沢さ.考えてみればすでに30年前の曲なのですが,古臭さは全くなく,むしろ新たな説得力をもって訴えかけてくるその力強さに圧倒されてしまいました.しかし,さらに驚きなのは昨年発表のソロアルバム "Blue Moon Swamp"からの曲の素晴らしさ."Bring It Down to Jelly Roll","Rambunctious Boyなどの曲はC.C.R.時代の曲に負けるとも劣らないくらい素晴らしかったです.

そもそもこのおやじは53歳のハズなのに,この歌声のパワフルさ,ギターへの気合の入れ具合は一体何?!「おいおい,その元気さはないだろ」とこちらがツッコミを入れたくなるくらいに叫びギターソロを弾きまくる姿にはその場にいる誰もが感銘を受けていました.気がついたら隣のブツブツつぶやく60代夫婦も立ち上がって手をたたいていました.(^_^) 自分の同伴者はフォガおやじより先にバテてしまい,合間を見て座席でエネルギー補給をしていました(爆).

コンサートの流れはアルバム"Premonition"の流れに沿っており,そういう意味ではおおむねの心の準備は出来ていました.同アルバムでは"Suzie Q"においてわざわざ同曲のレコーディングに用いたアンプを持ち出し,「デビュー当時からこのアンプといっしょにやってきてウッドストックとかに出たんだぜ」と紹介していましたが,今回もご多分にもれず「このアンプとは日本やオスロにも行ったんだぜ」と語ってました.ま,お約束事のMC,と言われればそれまでなのですが,すっかり乗せられてしまった自分でした...

さて,余裕が出てくると他のメンバーを見るのですが...フォガおやじがあまりに目立ちすぎて?!出しゃばりすぎて?!全然目立たない!まあ,フォガおやじのコンサートで,彼が歌って全曲ギターソロをとるので当然ではありますが.

そのような中,フォガおやじの次に注目したのはドラマー."Premonition"ではあの Kenny Aronoffおやじ (John Mellencampのお抱えドラマーだった)が叩いていたため彼の参加をかなり期待していたのですが,アロノフさんはSmashing Pumpkins のツアー(先日の武道館八王子シークレットライブでも当然参加)に同行していたため,実際出てきたのは,アロノフおやじではなく,やたら童顔の初々しいドラマーでした.しかしウマい!カッコいい!何者かと思ってメンバー紹介のときにフォガおやじのしゃべることを注意深く聞いていたところ,何と!元Damn Yankees の Michael Cartellone でした.個人的には嬉しい誤算.他の皆(サイドギター2名,ベース1名)は"Premonition"と同メンバーでした.

セットリストは正直言って詳しく覚えていません.フォガおやじの掲示板には後日以下のようなセットリストが載っていましたが,これで正しいのかどうかも定かではないくらいイッてしまったので...(^_^)

特に"The old man down the road"以降はもう息をつく間もないほどのテンションの高さ.気がついたらラストの曲"Fortunate son"のイントロが始まり,もう鳥肌モノもいいところ.おやじが叫びまくって一旦ステージ袖に引きあげたのですが,当然アンコールで出てきて,C.C.R.時代の"Proud Mary"をシミジミと演奏した後は"Travelin' Band"でまたまた叫ぶ...

いやー,チケットとれて良かった.スパイスガールズじゃなくて本当に良かった.(^o^)

p.s. この場を借りて,まーくんさん、くりさん,mayuさん,HIDEさん,そして何よりKatsさんに厚く御礼を申し上げます.本当にありがとうございました!


  1. Born On The Bayou
  2. Green River
  3. Lodi
  4. Lookin' Out My Back Door
  5. Suzie Q
  6. I Put A Spell On You
  7. Premonition
  8. Who'll Stop The Rain
  9. Bring It Down To Jelly Roll
  10. Rambunctious Boy
  11. Up Around The Bend
  12. Working On A Million
  13. Joy Of My Life
  14. Blue Moon Nights
  1. Centerfield
  2. Down On The Corner
  3. Janbalaya
  4. Wrote A Song For Everyone
  5. Have You Ever Seen The Rain?
  6. Hot Rod Heart
  7. Cotton Fields
  8. The Midnight Special
  9. Old Man Down The Road
  10. Rockin' All Over The World
  11. I Heard It Through The Grapevine
  12. Bad Moon Rising
  13. Fortunate Son

  14. Proud Mary
  15. Travelin' Band

| Back To Menu |

| Back | Home |


Send comments to: Jun Shigemura or Katsuhiro Ishizaki

Last updated: 8/ 15/ 98