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骨格 さて、彼女たちの骨格についてだが、「そのもの」を見ることはできないので★1、外側からうかがえるそれらしきものをあげてみる。
また、背骨は、どのようなシステムであれ、人間同様の動作を行うためには必須であり、くるぶしも足首自体が細いので関節の構成部品があのように見えるということは考えられるだろうから、ここでは参考にしない。
では他の骨はどうか。 鎖骨や肋骨の見えない人はたくさんいる。 肩甲骨なんて普通気にしない。 さらに、彼女たちは髪や瞳に人間とは異なる色素が与えられていることから、その構想には「人間そっくりである必要はない」または「人間と区別できなくてはならない」といった項目が含まれていたはずである。 つまり外見上は必ずしも必要ではないものだといえる。 にもかかわらず存在するということは、これらの骨格は内部機構上で必要なのだと考えることができるだろう。 そしてこのことから何がわかるのかといえば、彼女たちのアクチュエータ★2の種類が特定できるのである。
鎖骨および肩甲骨が構成する部位といえば「肩」である。肩関節というのは自由度が3★3もあって、複雑な動きをする。しかし、それを実現する筋肉は主として大胸筋,大円筋,三角筋であり、前述のことから彼女たちのアクチュエータも同様の構成をしていると考えられる。 ここで、三角筋にしぼって考えてみる。この筋肉は肩関節の外側にあり、主として肘を上げるときに働くもので、外見上では肩に丸みを与えている。−丸み?− そう、少なくともこの部分のアクチュエータは柔らかく、それ自身が屈曲し、その状態でも力を発揮するものでなければならないのだ。いわゆる力こぶを作る上腕二頭筋は硬い油圧シリンダーに置き換えることができるが、この筋肉はそうはいかない。また、本田技研P3などの現存する人型ロボットは非常に近い位置に2関節を配することにより肩の動きを模倣しており★4、当然鎖骨や肩甲骨はない。
では、そのような条件を満たすものには何があるだろうか。空想の産物も含めて挙げてみるとこんなところか。
空想世界においては様々な「人型」があるが、アクチュエータについて何らかの説明がなされているものはあまりなく、条件を満たすだろうと思われるものとなるとほとんど無い。 士郎作品に一貫して使用されている筋肉様のアクチュエータは魅力的だが、外部からのメンテナンスを前提とした設計となっており、金属を使用するので生体筋よりも重い★5と思われる。 ガサラキの鬼の手は分子モーターの集まりということになっているので生体筋とは異なるようだが、それでどうやって伸縮するのか不明なので却下。 他にもボトムズのマッスルシリンダーがあるが、あれはシリンダーなので曲がらない。また、ダンバインのアクチュエータはもろに生体筋である。
このように、空想世界を持ち込んでさえ、条件を完全に満たすアクチュエータは存在しない。 いや、ひとつあるではないか。 すなわち、生体筋そのものである。 飲む・食べるで、彼女たちは筋肉駆動であろうと想定したが、ここでも同様の解が得られた。やはり彼女たちは生体筋で動いているのだと、より確信を持って言えるだろう。 あ、そういや、肋骨が残ってたな。肋骨の存在から胸郭が形成されていると解釈すると、前述の大胸筋のもう一方の結合点が保証されるので、この論題の援用としよう。 ところで、彼女たちには女性によく見られる骨盤のでっぱりが見受けられないが、これは彼女たちが「おしりの小さな女の子ぉっ」であるということか。(笑) 注)空想世界に出てくる固有名詞がわからなくても考察には影響しません。
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