『赤坂志穂・・・・・彼女は僕と出逢い、僕の人生を驚愕へと導いた恋人だ。最初は記憶喪失の“美月”彼女は元の人格である“志穂”と姉の人格である“美月”記憶喪失の女の子という三つ人格のを持っている。そして僕達は・・・・・・・・・・・・・』
続ダブルキャスト新たなるキャスト
No.3 新しい同居人
僕は美月に志穂と出会ったときのことを話した。
酔いつぶれていたところを助けてもらった事、一緒に同居していた事、映研で一緒に過ごしたこと、そして・・・・・・・・・・・・・・・。
「志穂の心の中にいる私を志穂から助けた・・・・・・・・・か」
「信じられないかもしれませんけど、本当に起こった出来事なのです」
美月はしばらく僕の顔をジーと見ている。
やっぱり信じてもらえないのだろうか。
「・・・・・・・・・まぁ、いいわ。嘘ではなさそうだしね」
僕は何とかホッとした。
「志穂・・・・・あなた、私が死んでいた間にいい人に恵まれたのね」
「うん・・・・この人は私にとって掛替えのない大事な人よ!」
志穂は外にも聞こえそうな大声で喋った。
しかし、僕は気になる。
たしか美月は男に異常なくらい憎しみを持っているはずなのに、僕が志穂と一緒に入った時も何も感じていないのを・・・・・・・・・・・・。
僕はその事を話してみた。
「そうなのよ・・・・・・・なんで男に対してなんとも思わないんだろう・・・・・」
どういう事だ?これは・・・・・・・。
「ねぇ、お姉ちゃん、これからどうするの?」
「そうね・・・・・・どうしようかしら・・・・・・」
志穂は僕の腕を引っ張って外に出た。
「ねぇ、お願いがあるの・・・・・・・」
志穂のお願いとは・・・・・・・。
「い・・・・いいの??」
美月は狐につままれたような顔をした。
それは、美月を我が家に誘われたことに・・・・・・・
「もちろんいいよ」
「でも・・・・私は森崎先生と、もう・・・・・・・」
美月は森崎先生の方を向いた。
「美月ちゃん、自分で決めなさい。志穂ちゃんと一緒にいるか、私と一緒に住むかは・・・・・」
美月は悩んだ。
「本当に・・・・・いいの?」
「うん!?もちろん!!」
「僕は困らないよ」
そう・・・・・僕は何のためらいもなく美月を我が家に誘った。
この美月はかつての志穂と同じだからだ。
こうして新しい家族が生まれた。
その日の夜、僕達は美月の歓迎会を開いた。
「さぁ、どうぞ」
僕は美月にビールを差し出した。
「え?・・・・・でも・・・・・私は・・・・・・・」
「?お酒嫌いですか?」
「あ、そうか・・・・・・・・お姉ちゃん、死んだ時18歳だったんだ」
「あ、そうだったんですか・・・・・・・・・すみません」
「うんん、いいよ。こうなりゃ、何杯でも飲んでやるよ!!」
「「ほどほどにね(汗)」」
・・・とまぁ、こんな会話を交わしながら時が過ぎていた。
僕は酔いつぶれて寝てしまった。
横で二人の会話が聞こえた。
「ねぇ、志穂・・・・・」
「なに?」
「私、あなたに謝らなければならないわ・・・・・・・・・・」
「え・・・・・・・・?」
「だって、あなたに酷い事を毎日してきたんだもの・・・・」
「違うよ!?それはお姉ちゃんのせいじゃないよ・・・・・悪いのはあの男よ!?」
「でも、結局あなたに酷い事したのは変わらないわ・・・・・・」
「うんん、違うよ!お姉ちゃんはただ・・・・ただ・・・・・・・」
「もういいのよ・・・・・・ごめんなさい・・・・・志穂・・・・」
「・・・・お姉ちゃん」
「志穂・・・・・」
僕は何となく嬉しかった。
この姉妹はようやく“絆”を取り戻す事が出来たからだ。
美月と志穂、そして僕の新しい“映画”が始まった。
次の日、僕達は美月の服を買いに出掛けた。
「いいね〜町は・・・・・・・こんなにたくさんいい服屋があって・・・・…それなのになんでこの仲良し姉妹は7件も洋服屋まわっているのに決まらないのかな・・…」
「何言っているの、選ぶのが楽しいんじゃない♪ これ、いいかな、志穂」
と美月が・・・・・・・・・・
「分かってないねぇ。いいと思うよ、お姉ちゃん」
と志穂も・・・・・・・・
「僕はまた潜水服を捜していると思ったよ・……」
僕は呟いた。
近くには同じように服を探しているような人がいた。
僕と同じ大学生ぐらいのカップルだった。
「トモコ、まだ買うのか??」
「何言っているのよ!?まだ買うに決まっているでしょ!?」
「だけど、こんなに買って、ほんとに着るのか?」
「そうよ!もちろん!!・………………多分」
「おい!!?何だよ、今の多分って!!?」
「あ、あれがいいかな〜〜♪」
「おい、トモコ〜〜〜」
かわいそうと思ったが、その男に見に覚えがあった。
「おい、お前・・・・・もしかして?」
「え?・・・・・あ!?お前は!!久しぶり!!?」
「やっぱりお前か・・・・久しぶりだな」
「?ねぇ、知り合い?」
女の人が僕の顔を不思議そうに見た。
「あ、ごめんごめん、こいつ、僕の同級生なの」
女の人は僕を見て挨拶をした。女の人は国立トモコと言う恋人だそうだ。
「何か奇遇だね。こんな所で同級生と会うなんて」
「ほんとだね・・・・・ああ、それはそうとさぁ、あいつの事、覚えている?」
「あいつ?」
「ほら、中学1年生の時、クラスの委員長をやっていた」
あいつは優しくって、女子にも人気のある奴だった。
「あいつが、どうかしたのか?」
「あのよ、あいつな、フィリピンの女の子と国際結婚するんだってさ!?」
「ええ!?あいつが!?」
僕は店中に響くほど大声で叫んでしまった。
無理もない、あいつはあまり恋愛に興味を持たない男だった。
「そう、信じられないだろ?」
「ああ・・・・・・でも・・・・・・へえ〜・・・・・」
横から志穂がやってきた。
僕の声に驚いて来たんだそうだ。
「あ、ごめん志穂。この人僕の昔の同級生なんだ」
「あ、そうなんだ。どうも初めまして、赤坂志穂です」
「はじめまして」
トモコは志穂を不思議そうな目で見ている
「じゃ、僕達は・・・・・・・」
ちょうどその時美月がやってきた。
「ふう、危ない危ない・・・・」
“何が危ないの?”って聞いたら、とんでもない事を聞いた。
さっきの国立トモコってひとは美月が自殺する前の同級生だというのだ。
さっき志穂を不思議そうに見たのは“どこかで見たような”と思っていたんだろう。
たしかに、死んだはずの同級生が目の前にいきなり現れたら気絶じゃすまないだろうな・・・・・・・・・・(苦笑)。
「あ!?明日は映画の撮影の日だったんだ!?」
「あ!!いけない!?忘れていた!!?」
美月が頭にハテナマーク見たいなのがでていたので説明した。
明日から今年の学園祭で発表する映画の撮影を始める事を。
すっかり忘れていた・・・・・けど美月は気にせず、“がんばってね”と言った。
ちょっと意外だった。
・・・・・・そういえば美月を蘇らせたあの研究所、今はどうしているのだろう?それに美月が一緒に逃げた女の子はどうしたのだろうか。
それにあの時、研究所を破壊した、ミサキって、一体?
美月に聞いてみた。
「そうね・・・・・とりあえず私と一緒に逃げたあの子は森崎先生と一緒にいるけど・・・・・やっぱり心配だわ・・・・・・・」
「今度会いに行きませんか?僕も行きます」
「そう?」
「そうだね・・・・・私も少し心配だわ」
結局、僕と志穂と美月で森崎先生の所に行くことにした。
帰りに僕達は外で夕食を食べる事にした。
美月と志穂はラーメン屋に行こうと言った。
僕はつくづく“この二人は仲の良い姉妹だな”っと思った。
続く