２８．池田市東山町寛文十年の道標

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池田市東山町６７８　南からの道（余野街道）と東西の道が交差する四辻北西部、
地蔵堂の西（現４２３号線）との間に南を正面に建つ。
（案内板には「岸の辻」とある。）
（明治の新道標がすぐ南にある。）
自然石風　57ｘ上部西面21ｘ21㎝（下部西面X27X24㎝）
N34.850254 E135.435735

西面 ┌――――――――――――――――――――┐ │　　寛文十年　　　　　　　　　　　　　　│ │　　　　　　　右ハさい所　　　　　　　　│ │左ハ久安寺かめ山みち　　　　　　　　　　│ │　　二月吉日　　　　　　　　　　　　　　│ └――――――――――――――――――――┘ 北面 ┌――――――――――――――――――――┐ │南無阿弥陀佛　　　　　　　　　　　　　　│ └――――――――――――――――――――┘ その他の面 ┌――――――――――――――――――――┐ │（なし）　　　　　　　　　　　　　　　　│ └――――――――――――――――――――┘

（寛文十（庚戌）年二月１日なら1670年3月21日金曜日となる。）
（『池田を歩く』市教育委員会平成16年では№25）
（同書では、拓本を掲載するも「寛文十二年か十年かハッキリわからない。」としている。
　拓本を見る限りは、一文字の様に見え、「二」か「年」の判定が出来なかったものと思わ
　れる。
　その一字を分解すると、「二」の下に「巾（巾の一画目が下ではなく上に延びている）」、
　の様で、「年」と見なすには、「二」の上の「ノ」が無く、又、右下の縦棒が余分であり、
　「二」とするには、余分なものがありすぎ、これも出来ない。
　　そこで、一案であるが、「戌」（いぬ）とするのはどうであろうか。年の下に十二支の
　一字を付ける事は一般的であると思われるので問題は無いと思う、だこの字にあたるかを
　見る為、西面の写真とくずし字を並べたものを下に挙げてみる。
　撮影時点では、誰かが読みやすくするためか、墨を入れた後の様で、黒く見える部分だけ
　が彫（凹部）の跡とは言えないので注意がいる。
　又、下の写真の道標西面部分は、脱色、彩度の調整などを行っている。
　　因みに、干支の文字検討の為、寛文十二年二月１日を見るなら、「壬子」年となり、く
　ずし字を見ても、似ていない。西暦では1672年2月29日、月曜日となる。）
【結論】グダグダと書いたが、「年」である。右側に見えるもう一本の縦棒は、自然の凹み。）


【参考1.西面】	【参考2.西面拡大と「戌」を	【参考3.道標上部より
	『くずし字解読辞典』	ほぼ角柱状に加工済み】
	児玉幸多より合成】

（現在の設置位置は、交差点の北東部に西面して建っている、「右在所」とすると南（池田）方面
　となってしまい、余野街道が在所道になってしまい、辻褄が合わなくなる。東横の堂の壁にある
　案内板を見ると堂の南東部、旧道の辻なら北西部に道標が描かれているが、ここでも良くない。
　旧道の四辻の北東部に、現西面をそのまま西面させるか、南面させると、相応しくなる。
　辻の形が綺麗な十文字になっておらず、通行人の量も考えると、左に９０度回転して南面して
　いたとしたい。よって近接移設されているとする。）
（石自体は自然石を使用したものであろうが、少なくとも三面は、文字を彫る為に平らに加工され
　ており、自然石風と表現した。）


【1.東山交差点と道標を	【2.道標を北に望む	【3.道標を南東に望む
東に望む、左右がR423	手前が明治の道標	後ろｶｰﾌﾞﾐﾗｰから右が旧余野道
青い信号機の下に道標】	その左に少し見えるのが当道標】	左久安寺へ、左が当道標】

【4.池田北部の道標】

2022/10/13追記
　余野街道未踏査区間を無くすべく歩いてきた時に、改めて紀年部分を確認して来ました。
　　何故なら摂津の国の道標を集計した結果、池田市内では「池田市伏尾町100の道標、寛文10年の道標」より古いと
　なり、最古としたため誤りが無いようにとの思いからです。大阪府内で２番、摂津国内で７番としました。
　結果的には、前回墨が入れられていたものも落ちたようで余計に読み難いですが、ライトの当て具合とコントラスト
　の操作の結果、「寛文十年」で良いとしました。
　下記写真6は「文…」から始まっています。
　明治の地図今昔マップ on the webで寛文十(1670)年がしのべるか。


【5.道標西面拡大	【6.道標西面右中部拡大
何度撮っても上手く	「文十」は間違いない
写らず、コントラストを	その下一見「千」の字は
落してみたもの】	「ノ」から入って「年」とした】

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