12.大阪市福島区海老江6の道標

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大阪市福島区海老江6−8−14 海老江八坂神社西羽間文庫門前南に南東を正面に建つ
角柱 121x24x24p
N34.698958 E135.470182


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南東面
┌─――――――――――――――┐
│ 五百らかん 了とくいん   │
│左              │
│ 大仁 むめた        │
└―――――――――――――――┘
(五百羅漢、了徳院、大仁、梅田か)

北東面
┌─――――――――――――――┐
│右 藤名所ふなつ者し さこば │
│左 なかやま あま可さき   │
└―――――――――――――――┘
(「ば」は変体仮名「者」に濁点「ざこば」)
(「可」は変体仮名「か」「尼崎」か)

北西面
┌─――――――――――――――┐
│願主             │
│  山名米磯建之       │
└―――――――――――――――┘

南西面
┌─――――――――――――――┐
│ (屋号印)         │
└―――――――――――――――┘
(屋号印「〇」に「へな」で山名か)


(『大阪の街道と道標』武藤善一郎、平成11年発行では、610)
(行先を見る。「五百らかん」は太田南畝『葦の若葉』享和二年三月二十五日(1802年4月27日火曜日)に「妙徳寺
 黄檗宗なり、堂の内に五百羅漢あり、…」とあり元は福島区福島5−17−2曽根崎通の浄正橋西交差点北西辺り、
 「了とくいん」は今もある了徳院(浦江聖天)、「大仁」は今のなにわ筋の大淀1交差点辺りが中心と思われ、
 「むめた」は梅田として有名な墓地がJR大阪駅の西にあった。依ってこの近辺からは「左」は明治期に梅田街道と
 呼ばれた道を示すであろう。
  北東面の「左中山尼崎」は中津川を渡り、稗嶋か野里への道となるが、海老江村からは稗嶋が近い。さて北東面
 の「右船津橋、ざこば(雑喉場、西区江之子島)」に直接向かう道が海老江村からは出ていないのである。そこで
 この道も上記の梅田街道を指示するものとする。
  現在置かれている地点では道標の必要性を感じないし、明治の地図でも同様であり移設されたとする。この南に
 有ったと思われる道標二基が八坂神社内に移設されており、神社より北方にあったため此方に移されたものと考え、
 近辺で相応しい地点は、福島区海老江4−10−15の変則四辻南東部
N34.6998341 E135.471945
 辺りと思われるが、文久三年や明治五年の地図には三ツ辻状で北からの道が無く、現南東面の「左五百羅漢…」が
 矛盾はしないものの見る機会が無い様に思う。北に集落が有る様なので四辻である可能性は高いものの北から来る
 通行人は限られていたと思うからである。只、今でも変則的な四辻で、北西の尼崎方面から来る人も南に廻り込ん
 で見える位置に建っていたならこの問題は解決する。この時、四辻の南東部に現北東面を南面させて建っていたと
 したい。)
(上記二基の道標とは、「海老江6の道標1」「海老江6の道標2」である。
 文久三年の地図は大阪市立図書館デジタルアーカイブ「改正増補国宝大阪全図(大阪古地図集成 第15図)」
 明治五年の地図は「改正増補国宝大阪全図(大阪古地図集成 第16図)」で参照可能。)
(願主「山名」は他に石碑が幾つかあり、当「米磯」他方「礒兵衛」と名前が異なっているものの、屋号印の様なも
 のは同一で、血縁者と思われる。最も近くの道標は「福島区玉川1の道標」である。
 共通するのは「藤の名所」であろうか。)
(追記。後日羽間宅のご主人のお話によると、「此処に移設前は現在の海老江郵便局近くの辻にあり、交番が出来た
 時に移された。」との事で、ある時期には海老江交番北の四辻南西部
N34.697587 E135.471494
 辺りに有ったとと思われるが、明治17年頃の地図には道さえ無かったと思われる。)

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【1.道標を北東に望む 【2.道標を北西に望む 【3.道標を南西に望む
 左、新淀川手前で  正面、羽間文庫  奥、現2号線に当る
 三ツ辻に突当る】  門の左に当道標】  左(南東)八坂神社へ】

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【4.道標を西に望む 【5.道標南東面拡大 【6.道標北東面上部
 今の状況では  「左」が中央にあり  上部「右、左」と
 案内が誤り】  行先は全て東方面】  異なる方面を示す】

写真himg3284 写真himg3289 写真himg3287
【7.道標北西面上部 【8.道標南東面上部 【9.道標北東面中部
 右上「願主」  「左/五百らかん」  「名所ふなつ者し…」
 と読める】  と読める】  「…かやまあま可…」】

写真himg3281 写真himg3291 写真himg3288
【10.道標南西面上部 【11.道標南東面下部 【12.道標北東面下部
 〇印に「へな」は  「了とくいん」  「…つ者しさこば」」
 山となで「山名」】  「…めた」と読んだ】  「…あま可さき」】

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【13.大阪市福島区の道標】
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