有田鉄道には廃線前に3回訪問しています。
1回目は昭和63(1988)年晩秋の11月29日、 2回目は5年後となる平成5(1993)年の11月3日、3回目は9年後で廃線間近の平成14(2002)年10月2日でした。

1988年11月29日

晩秋の11月29日、初めて有田鉄道を訪問しました。
この頃はJR湯浅駅までの紀勢線に1区間乗り入れる直通連車が4往復で有田鉄道の乗務員が乗務、藤並までの線内運転が3往復あった。
車両は元富士急行のキハ58形3両で片運車001+002と両運車003、部品確保用として元国鉄亀山機関区のキハ5886と136が留置されていた。
その他機関車でDD353とDB20が廃車留置。

金屋口駅構内には富士急から購入されたキハ58形と元国鉄のキハ58136が留置、元富士急車は中央東線・新宿直行急行として使用されていた。
左側は両運車キハ58003、単行で主力車として運用されている。
中央の車両は国鉄から購入したキハ58136
右側の車両は予備車の2両編成キハ58001+002で正面が001。

881129fa.jpg(85777 byte)

金屋口駅構内

キハ58001+キハ58002 昭和36年日本車輌製で元富士急行、昭和50年入線しエンジン1機やトイレを撤去

881129d.jpg(86705 byte)

キハ58001+キハ58002

昭和38年日本車輌製35トン凸形機DD353 新日本製鐵八幡からの転入車
手前の台車は部品取り用に購入した元国鉄キハ5886の台車と思われる。
機関車DB20はDD353の奥に留置されていると思われる。

881129b.jpg(96419 byte)

廃車後も車庫に留置されているDD353

鳥尾川橋梁を渡るキハ58003、床下を見るとエンジンが1機撤去されているのが良くわかります。

881129m.jpg(87954 byte)

キハ58003 鳥尾川橋梁

下津野駅に進入する藤並行キハ58003、腕木式信号機は貨物輸送廃止まで下津野駅には交換設備があり、上下線に2位腕木式場内信号機が設置されていた時の名残りです。

881129ja.jpg(92017 byte)

キハ58003 下津野駅

下津野駅の交換設備は撤去され、ホームは道路拡張用地に変わり線路は空地として残っている。

881129l.jpg(78108 byte)

キハ58003 下津野駅

下津野駅の藤並方に設置され現在は使用されていない2位腕木式場内信号機
駅構内にはポイント切替機が設置された跡が残っていました。

881129i.jpg(34224 byte)

下津野駅藤並方に設置された腕木式信号機

私が1997年9月24日に作成した記事へのLINKです。参考にご覧下さい。

1993年11月3日

平成5(1993)年11月3日の2回目の訪問は10才の長男と5才の次男そしてVAP-NET五條の山本さんの4名で「VAP野鉄ツアー」の 下見を兼ねて金屋口から藤並を往復乗車し、その後に野鉄と貴志川線にも乗車しました。

藤並駅で折り返しの際にキハ58003を撮影。
1年前にJR紀勢線の藤並駅までの乗り入れは終了していたが、まだ藤並駅構内には側線などが残されていました。

fujinami.jpg(96738 byte)

藤並駅で折り返し出発を待つ有田鉄道キハ58003

藤並駅で停車中のキハ58003、奥の車庫には樽見鉄道から搬入されたハイモ180-101が留置されており、 塗色変更など整備を受け、平成6(1994)年12月から廃線までの8年間キハ58に替わり主力車として運用され、今も有田川鉄道公園で保存・公開されています。

kanaya.jpg(100856 byte)

キハ58003と車庫内のハイモ180-101 1993.11.3

2002年10月2日

前回の訪問から約9年が経過、2ヶ月後の12月末で運行終了する事が決定しました。
ミカン畑の走行シーンや金屋口駅を訪れ廃止前の様子を撮影しました。

色づいたミカン畑横の土手を走るハイモ180-101、有田鉄道の主力車です。

1002aaa.jpg(92702 byte)

ハイモ180-101 下津野-御霊間

下津野駅に入線する藤並行き列車 駅の金屋口寄りにあった腕木式信号機は撤去されていた。

021002_0aa.jpg(95266 byte)

下津野駅

有田中央高校の最寄り駅の下津野駅、通学のための利用者も激減しました。
昔は唯一対向設備のある駅で、上下線に2位腕木式の場内信号機が設置されていました。

2002_1002AJ.jpg(147959 byte)

下津野駅の駅舎

終点金屋口駅に進入する列車、道路との交差部付近には草が生えレールが隠れており、踏切の表示はあるが 遮断機や警報機が無いため、とても列車が走って来るとは思えません。
現在、線路跡はサイクリングロードに整備され踏切跡は鉄道公園への進入路となっています。

021002_02a.jpg(88124 byte)

金屋口駅に進入する列車

金屋口駅ホームで折り返し間休息中のハイモ180-101
駅舎のホームにはたくさんの記念ヘッドマークが飾られていました。

2002_1002BR.jpg(116064 byte)

金屋口駅のプラットホーム

金屋口駅プラットホームには過去に使用された記念ヘッドマークが展示されていました。

2002_1002BJ.jpg(99119 byte)

プラットホームで展示されている記念ヘッドマーク

終着駅金屋口の待合室と改札口、プラットホームではハイモ180-101が停車中

2002_1002BI.jpg(148140 byte)

金屋口駅の待合室

金屋靴駅の駅前、左側の建物は有田鉄道の本社

2002_1002BQ.jpg(83553 byte)

金屋口駅前

金屋口駅構内では「ふるさと鉄道保存協会」が貨車を保存していました。

2002_1002AX.jpg(105675 byte)

「ふるさと鉄道保存協会」が保存中の貨車群

2002_1002AW.jpg(127351 byte)

蒲原鉄道の無蓋車「ト1」

2002_1002AY.jpg(116549 byte)

蒲原鉄道の有蓋車「ワ11」

2002_1002AZ.jpg(95522 byte)

蒲原鉄道の有蓋車「ワ12」

今回の訪問が有田鉄道の現役時の最後となりました。
残念ながら、12月31日の「最後の日」には立ち会う事が出来ませんでした。