５１．三田市永澤寺の道標

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三田市永沢寺　永澤寺境内本堂東の蛇沐水祠前に南を正面に建つ
地蔵型光背　99x49x25㎝（像部下21㎝より55x19x5㎝）（台石20x67x62㎝）
N35.017464 E135.246952

南面 ┌――――――――――――――――――┐ │　右ハ三田やいけ田道　　　　　　　　│ │（立像）　　　　　　　　法界刹　　　│ │　左ハやうたく寺　　　　　　　　　　│ └――――――――――――――――――┘ （『さんだの道標』では観世音立像とする）東面 ┌――――――――――――――――――┐ │元禄十二己卯年十月吉日　　　　　　　│ └――――――――――――――――――┘ 北面 ┌――――――――――――――――――┐ │（なし）　　　　　　　　　　　　　　│ └――――――――――――――――――┘ 西面 ┌――――――――――――――――――┐ │　施主母子村　　　　　　　　　　　　│ │　　　　　塚本宗和　　　　　　　　　│ └――――――――――――――――――┘

（元禄十二（己卯）年十月１日とすると、西暦1699年11月21日土曜日となる。）
（『さんだの道標』教育委員会2000年刊では№51、像は観世音立像とする。頭上を化仏と見なしたものか。）
（同書の銘文では側面の左右が逆になり、読み下しに抜けている文字が有る。）
（南面右側「右ハ三田やいけ田道」とあり「や」を並列を表す助詞として、「三田や池田」とした。助詞が入
　るものは少ないが無くはなく「宝塚市小浜５丁目８の道標」や接続詞かも知れないが「池田市古江町の道標」
　等がある。
　左側「やうたく寺」は今の表記では「ようたく寺」となり、現在の「永澤寺（ようたくじ）」で問題はない
　と思う。尚、地名としては「えいたくじ」と読むらしいが、寺の名前を示すと解釈すれば寺を案内する道標
　であろう。国立公文書館デジタルアーカイブの「元禄摂津国絵図」に「青原山永澤寺」として載るが村名で
　は「母子」である。永澤寺は国会図書館デジタルライブラリ『摂津名所図会』12巻コマ36に３頁以上記載
　されるほどの名所であったらしい。）
（南面像下は「法界刹」とした「法界」とする道標は時々あるが、「刹（サツ：寺の前に立てる旗）」と付く
　ものは無く誤りかも知れない。）
（境内に建つことから移設は間違いないが、元位置を探すには手間が折れる。施主に母子村とあり現在位置の
　近くに限定してみる。現在（2019）の母子小学校のある県道308号と永沢寺の南前を通る県道49号の何れ
　かであろうが、北側に位置する308号沿いに「母子塩掛の道標」が残ることと距離が遠いことを合わせて、
　寺の前の道沿いとしてみる。
　　明治の地図では北から三田方面への道として三本が見え、内一本は寺の東に当たり「左永澤寺」が矛盾す
　るので残り二本が考えられる。
　一点は、現在「三田市永澤寺西道標」二基が残る
N35.016696 E135.241307
　辺りの聯路の四辻となり、
　もう一点は県道49号が大きく北に向きを変える地点
N35.015826 E135.236701
　辺りとなり小径の三ツ辻に見える地点である。
　この両方の道は乙原の天満神社の南の「乙原の道標」で合流して小野に出ており、案内の「三田、池田」
　を満足している。
　道の種別からすると第一の候補が有力だが、二基の道標が残っておりこれも残せた可能性は大であり、第二
　の方も決定的な要素が無く、何方とも決定し難い。今後の調査とする。）


【1.道標を北に望む	【2.道標を北西に望む	【3.道標を南西に望む
左本堂、右地蔵三体	橙色前垂れが当道標	「蛇沐水」は井水か
右（東）端が当道標】	後、蛇沐水の小祠】	左に当道標】


【4.道標西面拡大	【5.道標南面拡大	【6.道標東面拡大
「施主…」の下は	「右ハ三田や…」	「元禄十二己卯年十月吉日」
読み難いが】	「や」は並列助詞】	ハッキリと読める】


【7.道標西面中部拡大	【8.道標南面下部拡大	【9.道標を北に望む
「主」が白抜けし	「法界刹」とした	観世音菩薩像らしく
その下「母子村」】	「刹」は怪しい】	見映え、保存共に良い】

【10.山門前から西を望む

　奥、県道49号母子へ

　元位置はこの先か】


【11.三田北部の道標】


【12.三田西部の道標】	【13.三田東部の道標】

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