BLOOD THE LAST VAMPIRE
「闇の王編・終わらない闘い」
―第四話―
セーラー服の少女にカッツが言う。
「久しぶりだな…“SAYA”」
カッツを睨み付けるセーラー服の少女―“小夜”さんが口を開く。
「今度こそ、貴様を殺す!!」
そう言って、小夜さんはカッツに斬りかかる。
「フッ…」
カッツの笑いと共に、小夜さんの身体が弾き飛ばされる。
―“翼手化”した母さんが、殴り飛ばしたのだ。
体制を立て直した小夜さんは、刀を握り締める。
「…くっ!…何故だ…何故、お前が生きている?確かに、私はお前を斬った筈だ!」
小夜さんの問いに、カッツは薄い笑みを浮かべ答える。
「あの時、私の身体にはほとんど血が残っていなかった…
薄れゆく意識の中で、私の目に“翼手の死体”が映った…」
「まさか!!」
「フフフッ…私は、運が良い…
しかし…力を回復するまでに2年も掛かってしまった…
我々にとって、一瞬でしかない時間もまるで…永遠のように感じられたよ…」
カッツは、父さんの血を飲むことによって一命を取り留めていたのだ…
「小夜、ここは退かせてもらうとしよう…
私の力では未だ“オリジナル”であるあなたには、敵いそうもない。」
カッツは、その言葉を残して窓の外へと身を躍らせる。
「逃がすものか!!」
カッツを追おうとする小夜さんの前に、母さんが立ち塞がる。
「あの人が逃げるまで、私に付き合ってもらうわ。」
「…チッ!!」
小夜さんは、窓の外を睨み付ける―が、そこにはもうカッツの姿は見受けられない。
そんな、小夜さんの隙を突いて母さんが襲いかかる―
「何処を見ている!!あなたの相手は…」
「邪魔だ!!」
“オリジナル”である小夜さんに、並の翼手が敵うわけも無い…
致命傷は裂けることが出来たが、小夜さんの一振りで母さんの右腕は切り落とされてしまった。
「…くっ!!」
「終わりだ…」
小夜さんが止めを刺そうと振りかぶる。
―母さんが殺される。
そう思った僕は、小夜さんを制す…
「待って!!…母さんを殺さないで!」
僕は、母さんをかばうように小夜さんの前へと立ちはだかる。
「どけ!…もう遅い、その女にはあいつの“血”が流れている。」
「でも、僕にとってはたった一人の母さんなんだ!!」
「…ドイテ…チョウダイ…」
「!!」
苦しそうな声で母さんが言う。
「…行きなさい!あいつは、私達にとっての“始まりの地”にいるわ…
瑠璃亜ちゃんもきっとそこに…」
僕は、泣きながら母さんを抱きしめる。
「そんな…母さんを置いて行けないよ…」
「…ごめんなさい…許して貰おうなんて思わない、でも…
…お願い、最後は“人として”死なせて欲しいの…」
「…母さん」
「しっかりしなさい!!瑠璃亜ちゃんは、貴方にとって大切な人なのでしょう?」
「わかったよ…母さん…」
「そう、それでいいの。きっと瑠璃亜ちゃんも貴方を待ってる筈よ…
さぁ、もう行って…瑠璃亜ちゃんを助けに…」
「うん、瑠璃亜は僕が助ける!
きっと、助け出してみせるよ!!」
そう言って僕は立ちあがる。
「気は済んだか?」
母さんは無言でうなずく…
「小夜さん…お願い…」
「わかった…」
小夜さんは刀を振り下ろす!
「母さん!!」
「…この子の事を、よろしく…小夜さん…」
その言葉を最後に、母さんは生き絶えた…
「母さん…」
母さんを抱きしめる僕を置いて、小夜さんは立ち去っていった。
―置いて行かれるわけには行かない!僕には母さんを失った悲しみにくれている暇は無いんだ…
僕は行くんだ!!“あの場所”へ…
瑠璃亜を助けに!全ての決着をつけに!!
第五話へ続く