94.神戸市北区山田町丹生山参道十一丁丁石

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二次調査によりサイズ、経緯度等を訂正 2023/6/23
神戸市北区山田町坂本 丹生宝物殿北西の二十五丁石から参詣道を1.6kmの延命地蔵の三ツ辻の西20m北部に南を正面に建つ
五輪卒塔婆型 181x22x21p(基部4p含む)水輪15x22x21p、火輪15x21x20p、風輪8x15x14p、空輪11x14x14p
N34.778215 E135.113728


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南面
┌─―――――――――――――――――――┐
│          右 淡河町     │
│従丹生山十一丁 従是          │
│          左 丹生山     │
└――――――――――――――――――――┘

東面
┌─―――――――――――――――――――┐
│(なし)                │
└――――――――――――――――――――┘

北面
┌─―――――――――――――――――――┐
│(なし)                │
└――――――――――――――――――――┘

西面
┌─―――――――――――――――――――┐
│(なし)                │
└――――――――――――――――――――┘


(『神戸の道標』山下道雄、神戸新聞、1985年刊では北区91)
(同書に「…十一丁石に後になって下部に行き先を刻して道しるべとしたものである。右は丁石の背後の道を北へ登り、
 …「やぶの谷」から「こもの辻」を越えると…淡河へ出る。」とあり道標部は追記に違いないが何ともお粗末な追記
 である。それは、丁石の特性として距離に合わせて建てられる為、辻が無い位置に来ることが多い。この丁石もその
 例に漏れず、一本道に建っている。ここに「右、左」と書いても何の有難みもない。この下20mに林道が通っており
 三ツ辻を成しているがその北西角に立っていれば道標の値打ちはでるがこの位置では、坂本へ下山するものにとって
 はかえって混乱を招くであろう。それとも追刻した時点では林道分岐点に建っていたのであろうか。
  尚、近世の「淡河」は公文書館の、「天保国絵図播磨国」では「村」とされており、行政単位としての「淡河町」
 なら、wikiによると1973(昭和48)年制定となるようで追記の時期もそれ以降と考えねばならないが、この道標の西
 にある石橋「丹生山橋」には「昭和十六(1941)年八月」とあり、昭和48年以降に道筋が付け替えられ辻の位置が変
 わったとは考えにくい。又、「文化十四(1817)年」の銘を持つ道標にも「淡河町」と表現するものもあり、近世の
 追刻であってもよい。この場合現在の林道が新しく付け替えられ下部に移ったと考えれば現在地点が辻であった可能
 性も出てきて、道標の案内が的を得ていたとも出来る。こうなれば追刻とする理由もなくなるが、「丹生山」の筆跡
 が違うようにも見え悩ましい所である。明治の地図では「丹生山橋」の架かる谷の南で分岐しているようにも見える
 ので辻の移動とそれに伴う丁石の移動も大いに考えられる。)
(この参詣道中で最も遠い「川原の二十五丁丁石」と、起点を示す「東下丹生神社参道石」がある。)

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【1.道標を西に望む 【2.右道標を南西に望む 【3.道標を北東に望む
 奥への一本道に  奥、南に向かい  右下に林道が少し見える
 建っている】  尾根筋に出て北西へ】  三ツ辻から20m程登る】

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【4.林道三ツ辻より 【5.道標南面中部 【6.林道三ツ辻南西部の
 道標を西に望む  「従丹生山十一丁」  自然歩道案内標識
 ここを右が淡河へか】  と読める】  右「林道を経て丹生山」】

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【7.道標南面下部左 【8.道標南面下部 【9.道標南面下部右
 「左、丹生山」  「右、淡河町」  「右、淡河町」とあるが
 丁石なのに何の為】  「左、丹生山」】  分岐する道は無い】

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【10.道標南面上部
 火輪から下には
 梵字があるかも】

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【11.北区南部の道標】

 2023/6/23追加
 この丁石(道標)には確認出来ないが、類似の形態を持つ1〜24丁丁石の中に、側面や裏面に銘の一部が見えるも
のが有り、『新兵庫史を歩く2』NHK神戸放送局編では「古いものには永徳三年(1383)の銘がある」としている。この
読下しについては少し疑問を持つものの参考にはして頂きたい。詳しくは「神戸市丹生山丁石一覧」へ。
 一石五輪塔型の丁石は数が少なく、「灘区箕岡通4の十八丁丁石」「箕面市粟生間谷表参道の一丁丁石」
道標なら「尼崎市久々知3丁目の道標」「吹田市岸部北2の小路道標」「茨木市安威墓地の道標」等も参照下さい。

 グーグルマップ「神戸市北区丹生山丁石」はこちら

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【参道概略図】
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