なおなっく物語(かすかな記憶)

五右衛門

昔の家は離れに風呂、便所があった。また、玄関も土間だった。
元家の玄関前に風呂があった記憶があるが、入ったことは覚えていない。小さいころ改築をしたからだ。しかし、便所はぽっとん便所。小さいころお利口さんにしておかないと便所の中から手が出てくる。上からは紙が降って来ると脅されたもんだ。
母の実家は、今は廃屋だけど最後まで五右衛門風呂だった。板の上に乗って釜に触れないように気をつけたものだ。現在の風呂より体が温まり、冷えにくいと言われていたが良くわからない。いい経験をしたと思う。
便所は丸い穴があり、そこに小便、大便を昔はしていたらしいが、丸い便所は小便の記憶しかない。うちでは、バキュームカーが毎月来ていたが、近くの家では、リヤカーに肥え樽をのせて畑に運ぶ姿を良く見た。いつも鼻を手でつまみ、くせーと近くのおっさんに叫んでいたものだ。今考えると悪いことをしたな。
野山を駆け回っていたガキの頃、畑に肥溜め(「肥えたんご」と呼んでいた)があり、夏などは表面がかぱかぱになっており、側から見る畑の泥と見分けがつかない。そこにはまった同級生がいるが、今でも「糞たん」というあだ名で呼ばれている。