Antaŭparolo
‐のほほんエスペラント講座・前口上‐

(見通し・目次へ急ぐ)

 エスペラントをまったく知らない人のために、簡単な〈講座〉をして みようと思います。講座といっても、〈紹介〉と考えてかまいません。 なぜ「のほほん」なのかは、 「のほほニス モ宣言」をご覧ください。

 ここでは、「すばらしいことば」とか「優れた言語」などと持ち上げ たりはしません。それから、「1887年にザメンホフが創った……」とか、 「〈真の〉国際交流とは……」とか、「公平で平等な……」なんて話は 一切しません。プログラミング言語で、「Rubyというのはこれこれの目 的でこういう人が創ったものなんだ」とか「Lispは何年に生まれてこう いう歴史があって」とかいうことを知らなくても、使いこなすには問題 ないし使えなければおかしいのと同じことです。英語だってフランス語 だって中国語だって、「歴史」なんかいちいち知らなくても勉強して、 使えます。それと同じです。そういうことに興味を持ったならそのとき に知ればいいことだと思っています。

 とはいえ、すぐに手に入る入門書には必ずといってよいほど上のよう な話が出てくるので、それが本「のほほんエスペラント講座」の目的の ひとつです。この〈講座〉を通じて、エスペラントを知らない人にはこ のことばの大雑把な輪郭をつかんでもらえたらいいなと思いますし、わ けもなく怪しいものだと思っている人には色眼鏡を外してもらえればい いです。

 もうひとつの動機は、エスペラントに限りませんが、また語学にも限 りませんが、勉強するとそれにまつわっていろんな〈謎〉や〈不思議〉 や〈発見〉にでくわします。それを自分なりに整理したいと思いました。 本当はこちらの方が主な動機だったんですが(笑)

 現在世界で百万人程度の話者がいると言われる、生きて動いている言 語を感じてもらえたら幸いです。

 「対象読者層」は特に想定していませんが、このことばの仕組の紹介 が殆どなので、中学生以上の知識(英語を少しは知っている)はあった 方がいいのでしょう。小難しい日本語がちらほら出ることを考えると、 高校生以上が適当かも知れません。でも怖じけずに読んで貰えたらうれ しいですし、なんとなく判ったような気がする、とか、勉強してみようっ と♪、と言って貰えたら、もの書き冥利につきるというものです。

 当然のことですが、客観的な記述を心がけました。一部主観が入って いるところは、「寄り道」として分けて書きました。ただし、寄り道が 若干本文中に紛れ込んでしまっている部分もあるかも知れません。その 点はご容赦ください。

 勝手な決めつけや思い込みだけの推論はしていないつもりです。ただ、 筆者の理解や洞察が遠く及ばず、結果として間違いや誤解を記してしまっ ているところがあるかも知れません。そのような箇所を見つけられたら ご遠慮なく筆者宛てにお知らせください。速やかに改めます。

 なお文法用語その他の用語は、今の筆者の知識と気分 (^^;)から自然なものを使っています。そのため、用語の 統一がとれていない可能性があります。

全体の見通し・オリエンテーション(orientado)

 本講座は三つに分かれています。それぞれ副題がついていますが、洒 落(しゃれ)なので気にしないでください。

 第一部・「立志篇」では、エスペラントということばを言わば「外か ら」眺めてみました。ここで興味を持てれば、もう勉強を始めるには充 分です。そんなことはどうでもいい、という人はここを飛ばしてもかま いません。

 第二部「概略篇」はこの講座の要(かなめ)、さわりとなりま す。文法をひととおり眺めてみるほか、実際の文例でエスペラントの肌 触りを確かめましょう。

 第三部は「展開篇」。エスペラントの単語や熟語を紹介し、この言語 に関連するほかの話題に触れたり触れなかったりします。


【立志篇】

01. ことばは面白い

02. 世界にはたくさんのことばがある

03. ことばを学ぶ愉しみ

【概略篇】

01. エスペラントってどんなことば? ――概観

02. 文の主な要素たち

03. 文法の骨格 ――〈16箇条〉

04. 名詞、動詞、形容詞、副詞

05. 造語 ――くっつけたり差し替えたりしてことばを増やす

06. 陰の主役、前置詞

07. 語と語、文と文をつなぐ

08. 疑問と関係と「相関詞」

【展開篇】

01. いろいろなことば

02. 対訳つきエスペラント小説

03. “らしさ”とは? ――あとがき気分で

【付録】

参考文献

 本稿執筆に当たって、多くの文献を 参考にしました。特に以下の本からは多くを得ましたし、文例、語釈の 参考にもしました。

『4時間で覚える 地球語エスペラント』
『エスペラントの基礎(Fundamento de Esperanto)』
『まるごとエスペラント文法』
『エスペラント前置詞略解』
『エスペラント 接続詞の用法』
『エスペラント小辞典』
『改訂新撰エス和辞典』
『実用エスペラント小辞典』

(2001.04.03)
(2001.06.05: 更新)
(2001.12.16: 大改訂)
(2002.12.13: CSS対応)

《人工言語》の冒険へ
このページの冒頭へ
立志篇へ
概略篇へ
展開篇へ
参考文献へ
©Copyright Noboru HIWAMATA (nulpleno). All rights reserved.
(C) Kopirajto Noboru HIWAMATA (nulpleno). Cxiuj rajtoj rezervitaj.