43.箕面市東巡礼道の丁石(勝尾寺)

↓末尾へ 文字ずれ時はブラウザの幅や「Ctrl」と「+」、「-」キーで倍率変更等して下さい。
  1.勝尾寺参道概要  2.各参道と、丁石  3.巡礼道について  4.丁石一覧  5.丁石詳細
写真eimg3598 写真eimg4182
   【勝尾寺遠望】                                  【摂津名所図会、勝尾寺】
【1.勝尾寺参道概要】
  南部から勝尾寺への参道を明治の地図を参考に、見ると、東から順に、
 1.東巡礼道、茨木市総持寺からの道
 2.旧参道(東1)、表参道とほとんど重複
 3.表参道(古参道)(三十六丁=1里)、西国街道新家大鳥居−帝釈寺東−外院−善福寺西−境内傍示石
   −山門−本堂、地図上で4.2q
 4.ウツギ谷道(西1)、外院2丁目北−しらみ地蔵−本堂、3.1q
 5.谷山尾根道(西2)(ウツギ谷道の分岐で「中山」とある為か巡礼道とする人あり)
 6.谷山谷道(西3)
 7.白島道(西4)
 8.二十二曲(西5)
 9.高山道(政の茶屋まで)(私説:西巡礼道)
 10.滝道(滝の上からは、現在のドライブウェイの経路)
    ((東1、西1〜5)、は表参道を中心に付けた番号)
 等10本程あり、更に、各道に繋がる枝道も相当あるようだ。
  寺近辺の南方よりの参道を見ると、現滝道方面からは、南西からの道となり石垣沿いに来て、いきなり
 現本堂階段下に、出ていた様で、山門には繋がっていない。上記4.ウツギ谷道(西1)以下、10.滝道
 まではこの道に合流する。
 一方、上記3.表参道とした道は、この辻から南南東へ進み山門に出会い、更に南へ山を登って粟生外院
 へ出ている。この山門の南へは、巡礼道(総持寺からの道)が東から来て合流しており三ツ辻を形成して
 いる。
 (尚、『箕面観光ガイドクラブ』では、巡礼道を山門の南とせず、東から少し北に廻り現本堂下へと繋が
 る地図を載せているが遠回りとなり、丁数も合わなくなると思われる。
  勝尾寺から西への巡礼街道を考えてみる。勝尾寺境内中に倒置されている道標や山門前南西にある道標
 の「中山(寺)」の案内から見て、上記の本堂階段下から山門へ向かわず、いきなり西へ進み、政の茶屋
 から南に高山道を採り、西江寺から新稲へ続く道を「巡礼道」としたい。案内もさることながら、距離が
 一番短いのが最大の理由でもある。
  ただ、案内にある「百六十丁(四里?)」は引き続き検討を要する。
 「中山寺百六十丁」に関しては、
「箕面市粟生間谷の道標(山門南の下乗石道標)」
 「勝尾寺境内の中山寺百六十丁道標」等を参照下さい。)
  1.勝尾寺参道概要  2.各参道と、丁石  3.巡礼道について  4.丁石一覧  5.丁石詳細
【2.各参道と、丁石】
  現在に残る丁石(道標として距離を示すものは除く)は、
 1.東巡礼道、   11基(一基は勝尾寺境内、不明二基)
 3.表参道、    21基
 4.ウツギ谷道、   2基(一基は道標)
 9.高山道、    10基
 10.滝道、      2基
 上記、5ルートにあるが、10.滝道は雌滝への距離を示し、9.高山道は一基を除き西江寺への丁石と考
 えられ、勝尾寺への丁石を持つ参道としては、3本としても良いのではないか。
 尚、高山道の丁石の内、目的地までの残りの距離を示す丁石の特徴と距離の整合性を考え9基は「西江寺」
 への丁石と捉え、残る「十六丁」一基はどちらの寺にも合っていないが勝尾寺への距離に近いと思われる。
 依ってこれを加えると4本の参道があると言えるでしょう。
  
1.勝尾寺参道概要  2.各参道と、丁石  3.巡礼道について  4.丁石一覧  5.丁石詳細
【3.巡礼道について】
  巡礼道は、巡る順番は別として、東、総持寺(茨木市)から来て、当勝尾寺、西、中山寺(宝塚市)と
 し、これを一本に繋げる道とする時、先ず、東から当勝尾寺への道を考えてみる。
  総持寺より勝尾寺までの内、この近辺を見ると、現在の府道4号、西田橋東詰めより、山門迄となろう
 が、明治の地図で想定される巡礼道は
「24.箕面市粟生間谷東5の道標」の地点から、
 「23.中村天満宮境内の道標」
 「22.西田橋東詰め道標」
 と、現府道4号線に沿う道がそれで、西田橋を過ぎた後、一度北に折れ、突当りを法蔵寺と反対の西へ進
 み、勝尾寺川を右に左にし、現在の桜の地蔵「十六丁丁石」の西岸から川を渡り、暫らくは川沿いに進み
 (現在道無)、十兵衛の滝辺りより北に直登し、山門の東で今の4号線に出る道であったように思われる。
 これを、『箕面のみちしるべ』付属地図の巡礼道では、桜の地蔵横十六丁石から西岸に渡り、川から離れ
 谷筋を登り、表参道の十丁石へ繋がる破線で表示(一つ北の谷筋で七町丁石に出る道の誤りと思う。明治
 の地図にも載り、これが最短経路)しており、上記と異なるがweb「箕面観光ボランティアガイドクラブ」
 の『十兵衛道(失われた巡礼道)』にもある様に、十兵衛の滝筋を、巡礼道(勝尾寺を挟んで、東西に分け、
 東巡礼道)とする。
  次に西巡礼道であるが一般的には勝尾寺山門から表参道を南に登り、西にウツギ谷道に分かれ、しらみ
 地蔵を南下後、谷山尾根道に入り、白島へ出て、、如意谷を経由し池田方面とされているようである。こ
 れは、この道筋の途中にある道標に「中山」と記されているものが有る等の理由と思われる。
 その他、「資料館」作成の『勝尾寺旧参道歩き・み・ふれる』にあった図「西国廿三番札勝尾寺所案内之
 絵図(下記参照)」の中央下部に「中山道四リ」の標記も見え、この道を通る人もいたであろう。
  ただ、この経路は最短でない為、この道を巡礼道にはせず、最も距離の短い勝尾寺本堂下から、山門に
 出ることなく西に向かい、政の茶屋から高山道に入り、聖天宮西江寺の東を通り、中ノ坂の道標に出る道
 を、私説「西巡礼道」とした。
(私説「西巡礼道」は、図の左下に「みの道一リ」となる。一般的「巡礼道」は、中央下部「中山道四リ」
 で、その右の鳥居へ続く道(途中に対面石がある)が、表参道であろう。)
写真eimg4303 写真eimg4308
【1.西国廿三番札所 【2.勝尾寺付近
 勝尾寺案内之絵図】  元禄頃の絵図】

  1.勝尾寺参道概要  2.各参道と、丁石  3.巡礼道について  4.丁石一覧  5.丁石詳細
【4.東巡礼道、勝尾寺への丁石一覧】
写真cimg7535
【勝尾寺丁石分布図
 丁石のみを掲載】

〇丁石の基準点について、
 一般的には、本堂或いは仏舎利を収めた地点を基準(0)として離れるに従い1丁毎に建てるようである
 が、この東巡礼道に建つものは、山門を基準に考えると誤差が少ない様である。表参道系でもそうである
 よう、全て再建されている印象を持つ。
2.東巡礼道の丁石一覧
名称・丁数表記等住所丁数(実)形状
大きさ
緯度
経度
目的地/距離(誤差m)/備考
 147.箕面市勝尾寺境内の廿丁丁石
廿丁
箕面市粟生間谷20丁(0丁)山型角柱
75x東面18.5x12.5p(頂高4p)
N34.865674 E135.491408境内の為検証不可/?q(?)
 248.箕面市東巡礼道の勝尾寺16丁石
十六丁
箕面市粟生間谷16丁(16丁)山型角柱
90x南面20x16p(頂高6p)
N34.855716 E135.499662勝尾寺山門/1.8q(+60)
 349.箕面市東巡礼道の勝尾寺15丁丁石か
(なし)
箕面市粟生間谷?丁(14丁)角柱
33x22x15p上部欠損
N34.857341 E135.497608勝尾寺山門/1.6q(-90)
 450.箕面市東巡礼道の勝尾寺12丁石
(座像)十二丁
箕面市粟生間谷12丁(12丁)尖頭型角柱
52x19x13p(頂高6p)
(像部25x16x2p凸部1.5p)
N34.858901 E135.499243勝尾寺山門/1.3q(-20)
 552.箕面市東巡礼道の勝尾寺十丁丁石
(座像)十
箕面市粟生間谷10丁(10丁)尖頭型角柱
53x南面18x14p(頂高7p)
(像部25x15x1p、凸部+2.5p)
N34.860742 E135.499393勝尾寺山門/1.1q(-30)
 653.箕面市東巡礼道の勝尾寺九丁丁石
(座像)九丁
箕面市粟生間谷9丁(9丁)尖頭型角柱
72x18.5x14.5p(頂高7p)
(像部25x17x2p、凸部+2.5p)
N34.861567 E135.49925勝尾寺山門/0.9q(-40)
 754.箕面市東巡礼道の勝尾寺八丁丁石
(座像)八丁
箕面市粟生間谷8丁(8丁)尖頭型角柱
108x北面19x14p(頂高6p)
N34.862356 E135.498746勝尾寺山門/0.9q(-10)
 855.箕面市東巡礼道の勝尾寺七丁丁石
(座像)七丁
箕面市粟生間谷7丁(7丁)尖頭型角柱
94x南面20x12p(頂高4p)
N34.863035 E135.497959勝尾寺山門/0.7q(-40)
 957.箕面市東巡礼道の勝尾寺四丁丁石か
箕面市粟生間谷4丁(3丁)角柱
28x東面20x20p
N34.863946 E135.496579勝尾寺山門/0.4q(-80)
参考51.箕面市粟生間谷西3の十丁石法蔵寺か帝釈寺への丁石か
箕面市粟生間谷西3−2310丁(10丁)尖頭型角柱
15x東面14x16p(頂高2p)
N34.847022 E135.511819帝釈寺/1.1q(0)

  
1.勝尾寺参道概要  2.各参道と、丁石  3.巡礼道について  4.丁石一覧  5.丁石詳細
【5.丁石詳細】


1.
写真eimg3472
東面
┌――――――――――――――――――――┐
│廿丁  勝尾寺             │
└――――――――――――――――――――┘

2.
写真eimg3391
南面
┌――――――――――――――――――――┐
│十六丁                 │
└――――――――――――――――――――┘

3.
写真eimg4472
北面
┌――――――――――――――――――――┐
│(なし)                │
└――――――――――――――――――――┘
(十五か十四丁と思われる)

4.
写真eimg3607
東面
┌――――――――――――――――――――┐
│(座像)十二丁             │
└――――――――――――――――――――┘



5.
写真eimg4489
西面
┌――――――――――――――――――――┐
│(座像)十               │
└――――――――――――――――――――┘

6.
写真eimg4508
東面
┌――――――――――――――――――――┐
│(座像)九丁              │
└――――――――――――――――――――┘

7.
写真eimg4547
北面
┌――――――――――――――――――――┐
│(座像)八丁              │
└――――――――――――――――――――┘

8.
写真eimg4565
南面
┌――――――――――――――――――――┐
│(座像)七丁              │
└――――――――――――――――――――┘



9.
写真eimg4580
南面
┌――――――――――――――――――――┐
│丁                   │
└――――――――――――――――――――┘
(現在地は三丁に近いが、三丁は別に存在した、四丁か)

参考.
写真eimg3326
南東面
┌――――――――――――――――――――┐
│十                   │
└――――――――――――――――――――┘


【その他丁石】に関しては
 44.「箕面市勝尾寺の表参道丁石一覧」
 45.「箕面市勝尾寺のウツギ谷参道丁石一覧」
 46.「箕面市西江寺の高山道参道丁石一覧」
 を参照下さい。
  1.勝尾寺参道概要  2.各参道と、丁石  3.巡礼道について  4.丁石一覧  5.丁石詳細
文字ずれ時はブラウザの幅や「Ctrl」と「+」、「-」キーで倍率変更等して下さい。 ↑先頭へ